第二の井手口を探せ!川端暁彦が予言する「ブレイクしそうな若手選手」/Goal25 GOAL 12/22(木) 18:48配信

先日発表になった『GOAL25』。国内外の日本人選手をピックアップする中、最年少で“メンバー入り”となったのは20歳の井手口陽介(G大阪)だった。井手口は先のJリーグアウォーズでベストヤングプレーヤー賞も受賞。今季は日本代表入りも果たし、ブレイクスルーを遂げる1年となった。今回は第二の井手口を探せとばかりに、来季ブレイクしそうな若手選手をピックアップしてみたい。

選考の基準は、ベストヤングプレーヤー賞と同じく来季「U-21」の選手であること。1996年4月2日以降に生まれた選手たちが対象となる。「現時点で高卒2年目以内」と言えば、分かりやすいだろうか。J1リーガー以外は対象にならないが、別に来季の賞を予想するという企画ではないので、カテゴリーについてはこだわらない。あくまで「来季ブレイクの期待される若手」を探すのが企画の趣旨である。

まず挙げたいのは“ロナウドポーズ”によって、ある意味すでに世界的ブレイクを果たしてしまったFW鈴木優磨(鹿島)だ。

1996年生まれの豪放なるストライカーは、鹿島ユース時代から突撃系のアタッカーというか、今のままのプレースタイルだった。気合いとパワーでヘディングに競り勝ち、勢いとスピードで突破していく。そして勝負強く、ここぞの場面で仕事ができる。ただ、ユース時代はフィジカルを押し出すスタイルについて「ああいう選手が上で通用するのか?」と疑問視する他クラブの指導者もいて、実際に年代別日本代表には候補にすら入っていない。だが、野性味あふれるスタイルは、むしろ上=現代Jリーグでの需要があった。ゴールを向かない、向かわないストライカーは怖くない。そのことを分かりやすく教えてくれる選手である。何より、観ていて面白い。

野性的な鈴木に続いて紹介したいのは、反対方向の凄味を持つDF中山雄太(柏)。

左利きのCBだが、本人の希望は実を言うとボランチである。後方からゲームを作っていくビルドアップのプレーに絶対の自信を持っており、一歩先を意識させる後方からのパス出しは絶品。単にパスを出すだけでなく、スペースを見付けながらスペースへ持ち上がっていくプレーもエレガントだ。本人も認めるとおりキャリアの浅い守備面についてはまだまだ改善の余地もあるが、地道な体作りでフィジカル面を着実に進歩させるなど無類の努力家だけに、ここからさらなる成長も期待できる。来年韓国で開催されるU-20ワールドカップでも主軸選手としての活躍が期待される。

U-20ワールドカップを狙う選手の中ではMF三好康児(川崎F)についてはブレイクに期待がかかるというか、川崎Fにしてみると「ブレイクしてくれないと困る」くらいの選手だろう。

今季はリーグ戦で初得点も記録し、チャンピオンシップ準決勝で起用されるなど首脳部の評価を着実に上げた1年ではあった。左足を武器に独特のリズムと変化を刻むドリブルは天下一品なだけに、ゴール前での落ち着きを含めた決定力を高めたい。大久保嘉人という得点源の抜ける川崎Fで信頼を得てポジションをつかんでいくには、やはりゴールという分かりやすい結果が欲しい。ただ、その可能性は十二分に持った選手だろう。

一方、ちょっと冷静にベストヤングプレーヤー賞を予想するなら、鳥栖が誇るJ1屈指のトップ下・鎌田大地(鳥栖)が候補の最右翼にいるかもしれない。

鳥栖の主軸選手として着実に実績を積み上げているだけに、もう“ブレイク”という感じではないかもしれないが。A代表に入るくらいまでの活躍を見せたときを“ブレイク”と言うなら、この非凡なタレントにはまだまだ先がある。

最後に来季のベストヤングプレーヤー賞の資格がない中から個人的に気になる二人を紹介させていただければと思う。一人は京都橘高校のFW岩崎悠人。来季J2の京都に加入が内定しているU-19日本代表のストライカーだ。抜群の運動能力と走行能力、そして前向きな向上心を持った好選手。年末から始まる高校サッカー選手権でもオススメのタレントだ。

もう一人は24歳の“オールド・ルーキー”レノファ山口のMF福満隆貴だ。鹿児島の出水中央高校から九州スポーツカレッジ(九州リーグ)、ヴェルスパ大分(JFL)、山口(J3からJ2)と、じわじわとステップアップを重ねてきた選手。2014年のJFLで大きく花開いた才能は、確かな技術と体力のベースに根性とセンスも加わったJ2でも指折りのインサイドハーフ。成長曲線の描き方からしても、まだまだ伸びしろが残っている選手だろう。来季の大きな飛躍を密かに期待している。

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