【全53クラブ網羅】担当ライターが選ぶ「今年の漢字」:ガンバ大阪

『長谷川ガンバ』として迎えた4シーズン目。J1リーグでは3年目のシーズンは、過去2年に比べて『停滞』を感じた1年だったと言わざるを得ない。

『三冠』を獲得した1年目の14年、全タイトル争いに絡んだ2年目の15年に対し、『ACL制覇』を最大目標に挑んだ3年目の今季は、そのACLではクラブ史上初めて、グループステージで一つも白星を挙げられないまま2分4敗で予選敗退に。また、7勝3分7敗と五分で終えた1stステージの巻き返しを図るべく『2ndステージ優勝』『チャンピオンシップ出場』を合言葉に2ndステージに挑んだJ1リーグ戦でも、年間4位でシーズンを終えCS出場を逃した。

その戦いにおいて特に目立ったのが攻撃力の『停滞』だろう。ガンバ大阪は、長きにわたり『攻撃サッカー』が代名詞になるほどの攻撃力を示してきたが、今季は特にその攻撃力が鳴りを潜めた印象が。もちろん、長谷川健太監督が目指すチームスタイルを思えば、単純に爆発的な得点数を数えた過去と比較するべきではない。だが、総得点数を見ても、14年が59得点、15年が56得点、そして今季が53得点と年々減少していることや、試合中の攻撃の回数そのものの減少、そして何よりその攻撃の『迫力』にも停滞が感じられたのは事実だ。クラブとして99年以来、年間で『二桁得点』をあげた選手が一人もいなかったことも、それを証明する出来事だろう。

もっとも、エースFW宇佐美貴史が夏のウインドーで海外移籍を実現したにもかかわらず、2ndは10勝4分3敗と盛り返したことや今季加入のアデミウソンのフィットが見られたこと。初の日本代表にも選出された井手口陽介の成長や3年連続のルヴァンカップ決勝進出。そして現在戦いの最中にある天皇杯でも3年連続の決勝進出の可能性を残していると考えれば、来季につながるプラス材料はいくつもある。『二桁得点』をあげた選手がいなくとも、万遍なくいろんな選手が得点を挙げられたことも強みになるはずだ。だからこそこの『停滞』を、来季、大きな結果を得るための布石だったと信じたい。

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