【J1採点&寸評】G大阪×仙台|17歳の堂安を先発に抜擢した長谷川監督の賭けは「凶」。GK六反のビックセーブが同点弾の呼び水に SOCCER DIGEST Web 6月21日(日)8時0分配信

2トップが厳しい守備に遭ったG大阪。攻め手を欠いて、厚みのある仕掛けも見られず。

【試合内容】
G大阪が仙台の術中にハマり、引き分けで第1ステージ優勝を逃した。32分に遠藤のFKから今野が頭で合わせてG大阪が先制したが、後半に入ると仙台の 守備網に捕まる回数が激増し、カウンター以外でチャンスを作れず。一方の仙台は、終了間際の88分、セットプレーから途中出場の奧埜が決めて、結局、試合 は1-1のドローに終わった。

【チーム採点・寸評】
G大阪 5
宇佐美、パトリックの2トップが厳しい守備に遭い、特に宇佐美は強引な突破が相手の守備網に引っかかるシーンも。中盤と前線が絡んだ分厚い攻撃は少なく、長い時間耐えていた守備陣も最後に力尽きた。

仙台 5.5
FWも含めた組織的な守備で、後半はG大阪から主導権を奪い返した。攻めあぐねた時間も長かったが、最後はセットプレーからこじ開け、アウェーで貴重な勝点1を掴んだ。

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 6
47分にビッグセーブを見せるなど守護神として安定感が光る。終盤に失点した場面では、ボールを一度触るもクリアし切れず。ただ、反応していただけに責められない。

DF
4 藤春廣輝 5
守備は無難にこなしたが、持ち味の攻撃力を駆使してサイドをぶち破るシーンは少なかった。周囲との連係に問題が残る。

5 丹羽大輝 5.5
H・ロペスとのぶつかり合いで手を焼く場面もあったが、ぎりぎりのところで粘り強く対応して自由は与えなかった。カバーリングも的確だった。

8 岩下敬輔 6
金園の決定機を斜め後方からの見事なタックルで止めるなど終始安定。つなぎも正確で安心して見ていられた。

14 米倉恒貴 5.5
対人プレーで強さを発揮し、右サイドを封殺。ただし、攻撃では効果的な上がりが少なかった。

MF
7 遠藤保仁 5.5
今野に合わせたFKの精度はさすが。ミスもあったが、随所で見せる効果的なパスでチャンスを作った。ただ、それでも中盤を支配できなかったのも確か。

38 堂安 律 5
リーグ戦におけるクラブ最年少先発となるも、立ち上がりは試合に流れに乗れず。左足でのつなぎを含めて、攻撃センスを感じさせる場面もあったが、インパクトは残せなかった。

15 今野泰幸 6
先制点を呼び込んだヘディングは、飛び込むタイミングが抜群だった。広い守備範囲も際立ったが、後半はボールの奪いどころが定まらなかった。

19 大森晃太郎 5
ボールを持っても違いを生み出せず。効果的なランプレーも少なく、平凡なプレーに終始した。

FW
29 パトリック 5
宇佐美からのパスで2回の決定機を迎えたが、いずれも決められず。そうした決定力不足が、引き分けの原因となった。

39 宇佐美貴史 5.5
ドリブルが引っかかるシーンが目立ち、らしくない決定機逸も。しかし、やや引き気味の位置からのチャンスメイクで変化をつけた。

交代出場
MF
13 阿部浩之 5
後半開始から投入されたが、カウンター中心の攻撃に絡めず。守備の仕事はしっかりと身体を張ってこなした。

24 赤嶺真吾 -
出場時間が短く採点の対象外。終了間際に出場も見せ場は作れず。

9 リンス -
出場時間が短く採点の対象外。終了間際に出場も見せ場は作れず。

監督
長谷川健太 5
17歳の堂安を先発で送り出すなど、新たな可能性に賭けたが、結果的に上手く機能せず。失点まで2枚目以降の交代カードを切らなかったことも凶と出てしまった。

宇佐美、パトリックのシュートをストップ。GK六反のビッグセーブが同点弾を呼び込む布石に。

【仙台|採点・寸評】
GK
1 六反勇治 6.5
宇佐美、パトリックのシュートを止めるビックセーブを披露。圧巻の活躍で勝点1を引き寄せる立役者となった。

DF
2 鎌田次郎 5.5
中央を固めて宇佐美の突破を阻止。ピンチになりそうな場面では、ファウルで止めてイエローをもらったが、最後まで中は破らせなかった。

3 渡部博文 6
パトリックとの肉弾戦は見応え十分。激しい当たりで巨漢FWを封じたことが、最終的に同点劇の流れを呼び込んだとも言える。

4 蜂須賀孝治 5.5
攻撃では効果的なオーバーラップが少なかったが、しっかりとサポート役はこなす。一方の守備では、サイドを破られる回数は少なく、仕事を全うした。

25 菅井直樹 5.5
機を見た攻撃参加でチャンスに絡んだ。高い位置取りが功を奏し、藤春の上がりを封じる効果もあった。

MF
6 キム・ミンテ 5.5
中盤の中央で守備の仕事はこなしたが、縦パスなど攻撃のスイッチを入れるようなプレーは少なく、印象が薄かった。

8 野沢拓也 5
攻撃のタメを作る場面はあったが、前線への効果的なパスが少なく、相手が嫌がるようなプレーは鳴りを潜めた。

10 梁 勇基 6
攻撃に変化をつけようと試みたが、決定的な崩しにはつながらず。とはいえ、正確なFKが同点弾のきっかけとなった。

17 富田晋伍 5.5
CBと密に連係を取りながら、危険なバイタルエリアを使わせず。G大阪の強力2トップを封じる一端を担った。

FW
11 金園英学 5.5
広範囲を動き、守備でも献身的なチェイシングで貢献。しかし、決定機で決められないなど、ストライカーとしての仕事はこなせず。

20 ハモン・ロペス 5.5
身体を張ってボールを収め、ロングレンジからでも得意の左足でゴールを狙った。やや強引に映るシュートもあったが、ゴールへの意欲は感じさせた。

交代出場
MF
14  金久保順 6
単調なボール回しが続くなか、切れのあるドリブルや縦パスを活かし、攻撃に変化を付けようと努力していた。

FW
7 奧埜博亮 6
0-1と劣勢で迎えた84分からの出場ながら、FKのこぼれ球を押し込んで貴重な同点ゴール。ここ一番での嗅覚が光った。

監督
渡邉 晋 6
組織的な守備でG大阪の攻撃を封じ、セットプレーの1失点のみで凌いだ点は評価。さらに、交代でリズムを変え、最後も途中投入の奧埜が同点ゴールを決めた。

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