【G大阪】PK失敗の呉屋。涙を堪えながら雪辱を誓う

「ゴールという結果で借りを返したい」

[ルヴァン杯決勝] G大阪1(4PK5)1 浦和/10月15日/埼玉スタジアム2002

両チーム3人ずつが成功し、G大阪4人目のキッカーとして登場したのは、なんと大卒ルーキーの呉屋だった。まだ初々しさが残るストライカーは息を大きく吐きながら助走に入る。狙ったのはGKとしては反応しにくい足もとへの強烈なシュート。しかし、浦和の守護神・西川の右足にセーブされ、ボールは大きく跳ね返った。

「ガンバを背負い蹴ったので、そこには自分自身、責任を感じています。まだ、気持ちの整理がついていませんが、自分のなかで絶対に無駄にしてはいけないと思います」

試合後の呉屋は打ちのめされそうになる心をなんとか奮い立たせ、気丈に振舞った。

PKのキッカーは監督から「行けるか」と聞かれ、「自信があったので僕は行けるとすぐに答えた」という。

この点は長谷川監督も次のように振り返る。

「他に蹴らせようと思っていた選手が拒否しまして、パッと呉屋と目が合った瞬間に『蹴ります』と言ったので、なんと勇気のある選手だと。呉屋は外しましたけど、本当に勇気を持って蹴ってくれた。ここから呉屋が成長してくれれば、いつかまたガンバにタイトルをもたらしてくれるんじゃないかなと思います。

ただ泣いてなかったのがちょっと……。だいたい新人でPKを外したら、『すみません、すみません』って言って号泣するものなんだけど(笑)。まあ、これから悔しさを自分の成長につなげていってほしいです。彼に蹴らせることに決めた私の責任ですし、ただ彼が蹴らせたくなるような内なるパワーを秘めた選手だということは間違いないと思います」

指揮官の想いは、呉屋本人も十重々、承知している。

「泣きたくはなかったです。泣いてしまったら……、僕より悔しい人は一杯いると思うので。悔しさを噛みしめて次に進みたい。周りから言われましたが、しっかり前を向いてもう一回、今度は僕がチームのタイトルに貢献できるようなプレーをしていきたい。ゴールという結果で借りを返したい」

大舞台で挫折を経験した次世代の点取り屋は今後、どのような歩みを進めるのか。クラブの新たな星として、逞しく成長することに期待したい。

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