【G大阪】魔法は解けた!? 長沢が浦和戦で感じた代表への“険しい道のり”

「前線で起点になれなかったし、セカンドボールを拾うことができなかった」。

[J1第2ステージ14節]浦和 4-0 G大阪/10月1日/埼玉

長沢駿は、ライバルクラブの対戦で注目を集めたひとりだった。8月以降の公式戦9試合で8得点とゴールを量産中に加え、先の日本代表メンバー発表でヴァイッド・ハリルホジッチ監督自ら名前を挙げて192センチの長身ストライカーに言及したからだ。

「長沢は岡崎(慎司)、武藤(嘉紀)、浅野(拓磨)とは違うフィジカルを持っている。運動量もあって、攻撃の組み立てにも参加できる面白い選手だ」

今回の10月シリーズでの招集は、「1点、2点取ったからと言って、A代表にすぐ呼べるわけではないし、最終予選では少しリスクがある」との理由で見送られた。そんななか、前節のFC東京戦に続き、ハリルホジッチ監督が試合を視察。長沢にとっては“次なるチャンス”への格好のアピールの場になる、はずだった。

しかし――。浦和の激しいプレッシャーの前に押し込まれる時間が続き(ボール支配率/浦和58%、G大阪42%)、長沢は前線で孤立してしまう。最終ラインが懸命に攻撃を撥ね返したクリアも、対峙した遠藤航や槙野智章に阻まれて収めることができず、シュートは1本も放てなかった。まるでゴール量産が嘘だったかのように沈黙し、試合後には悔しさを滲ませた。

「(浦和は)結構タイトに潰しに来てました。前半は(ボールを)受けられなかったし、受けられても上手くキープできない時間があった。後半からポジションとシステムを少し変えてやったんですけど…、セカンド(ボール)も拾えなかったし、前線で起点になれなかった。そういうところはまだまだだ。反省するところはかなりあると思います」

「強い相手でも、『もっとやれる』というのを見せつけないといけない」。

 “爆発中”だった期間を掘り下げると、磐田や湘南、甲府といった中位以下のチームが大半を占める。浦和や川崎、鹿島のような上位陣相手に結果を残してこそ、本当の意味で認められるのは長沢自身が痛いほど分かっており、日本代表入りを目指すうえで乗り越えなければならない壁だ。

「今日みたいなプレーをしていたら全然ダメだと思う。でも、見てくれているんだなというのは分かったので、モチベーションは上がるし、自信にもなります。さらに点を取って、浦和みたいに強い相手でも、『もっとやれる』というのを見せつけないといけない」

“サプライズ”ではなく、実力で代表の切符を勝ち獲るために――。長沢は、自らの得点で、未来への扉を切り開くことを誓った。

リンク元

Share Button