G大阪サポレポ vol.40 青黒はJ革命の旗手の色 2015/05/23

ハリルの声

「Jリーグのスピードは遅すぎる」

 これは国内組による日本代表合宿での記者会見でヴァイッド・ハリルホジッチ監督が語った言葉だ。日本のサッカー界に革命を起こすべくバルカン半島からやってきた闘将は、Jリーグのプレースピードに強く警鐘を鳴らす。特に攻守の切り替えとハードワークの意識改革の必要性を唱えている。「選手たちには代表で伝えたメッセージをチームで体現してもらいたい」ハリルホジッチ監督は選手たちに明確なメッセージを送り、合宿を締めくくった。

 バルカンの闘将の辛らつな檄は、ガンバ大阪の選手たちにも強い影響を与えた。第12節の川崎フロンターレ戦。選手たちは序盤から強烈なハードワークを見せる。高いポゼッションを得意とする川崎Fに対し、闘志むき出しの集中した守備でチャンスを作らせない。2年連続得点王の大久保と、ドリブル数リーグNo.1のレナトに全く仕事をさせなかった。

 また、攻撃面では宇佐美の勢いが止まらない。ドリブル、パス、シュートと、序盤から鬼の形相でゴールを狙い続ける。そして43分、阿部のシュートがDFに当たってこぼれると、そのボールをアウトサイドで見事にコントロールし、左足で今シーズン10得点一番乗りを果たした。

 その後も次々とゴールへ向かい続けるガンバに圧勝ムードさえ漂っていたのだが、サッカーの怖さは内容と点数が比例しないこと。追加点が奪えずにいると、徐々に暗雲が立ち込める。宇佐美が足をつって途中交代した70分頃から、徐々にプレスをかわされる回数が増える。すると、81分、杉本にヘディングを叩き込まれてしまい、まさかの同点に。最後の力を振り絞り、再度ゴールへ向かうも、報われずに試合終了の笛が鳴った。
J革命に青黒の旗印

 浦和がFC東京に圧勝し、首位との勝ち点差は再び4に開いてしまった。1stステージを制するには痛いドローだったが、悲観する必要は全くない。今節の勝ち点1は三冠王者がさらなる高みを目指して挑戦した貴重な1ポイントだからだ。過密な日程と疲労を考えれば、前節のような省エネな戦い方がベストだっただろう。しかし、選手たちは敢えて厳しいハードワークを選んだ。自分たちの限界を超えるために果敢に挑戦していた。その戦いぶりに心を打たれたのは私だけではないはずだ。ガンバ大阪は必ず、J革命の旗印となるだろう。

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