G大阪サポレポ vol.35 最強の「舵取役」 2015/03/29
最強のボランチ 今野泰幸
前半の雰囲気は最悪に近いものだった。試合開始わずか8分で明神が負傷交代。今野の穴を埋めてきたベテランの負傷に嫌な空気が立ち込めた。甲府の集中した守備にツートップが徹底的にマークされ、パスの出しどころがない。甲府にボールを持たれれば、ガンバのお株を奪うかのようなパス回しを披露され、イライラを募らせた選手が危険なタックルを仕掛け、ヒヤリとする場面が続いていた。得点の臭いも皆無だった。
そんな悪いムードが、今野の復帰で一変した。前半、取り切れていなかったセカンドボールはことごとく今野の力でガンバボールになる。オフェンスに集中できるようになった遠藤のパスが冴えわたる。藤春、米倉、倉田、阿部が疾風のごとくサイドを駆け上がる。前線で孤立気味だったパトリックや宇佐美に次々とボールが渡る。昨年日本を震撼させたガンバ攻撃陣が完全復活すると、甲府の守備は崩壊した。阿部のスーパーボレーに宇佐美の技ありミドルで一気に試合は決した。
一人のサポーターである私には、ボランチの果たす黒子役の凄さのすべてを理解しきれない。ゴール、アシストといった目に見える数字には表れないため、素人がボランチを評価するのは本当に難しい。しかし、最悪のムードを一変させたこの日の活躍を見て、今野がどれだけ凄いプレーヤーであるかを再確認した。日本最強のボランチ「今野泰幸」。本当にガンバにいてくれてありがとう!!
アウェイを飲み込む「青黒のサポーター」
甲府戦はアウェイでの試合だったが、一瞬ホームであるかのような錯覚を覚えた。テレビから聞こえてくる歓声のほとんどがガンバサポーターのものだったからだ。アウェイにも関わらず、本当に多くのサポーターが現地に駆け付けて声を張っていた。試合後のインタビューで宇佐美が「多くのサポーターが山梨まで来てくれて本当に感謝しています」と語ったように、叫んだ声は確実に選手達の背中を支えている。これが、理想のクラブのあり方だと思う。
今週はNational Match Week。
代表に選出された5人の青黒戦士たちの活躍を見守ろう!