20本中20本成功の選手も。J1通算PK得点ランキングトップ10【編集部フォーカス】

チームのなかで信頼のおかれた選手が担当する試合中のPK。ゴールまで12ヤードの距離からフリーでキックができ「決めて当然」と思われがちだが、これを成功させ続けることは決して簡単なものではない。今回は、PKによるJ1での通算得点ランキング上位10人を紹介する。

10位:林健太郎

【PK得点/PK数(成功率)】
14得点/15本(93%成功)

かつて“PK職人”と呼ばれていた林健太郎氏。現役時代に通算15回のPKを蹴る機会がある中で、外したのは1回のみだった。15回中14回PKを成功させていることからPK成功率は93%となる。

冷静に相手のGKの動きを確認してゴールに流し込む“コロコロPK”が彼の代名詞だ。ガンバ大阪に所属する遠藤保仁も“コロコロPK”の使い手だが、先にコロコロPKを披露していたのは林氏と言われている。

同氏は現役時代にヴィッセル神戸や東京ヴェルディ、ヴァンフォーレ甲府などでプレーした経験がある。プロ生活最後のPKは2009年10月11日に行わ れた天皇杯2回戦の関西大学とのPK戦で、5人目のキッカーとしてPKを蹴り成功させていた。現在はLB-BRB TOKYOのスタッフとして働いている。

9位:三浦知良

【PK得点/PK数(成功率)】
15得点/19本(79%成功)

49歳になってもなお現役選手として活躍している三浦知良(愛称カズ)。2015年6月28日に行われた水戸ホーリーホック戦ではJリーグの最年長ゴー ル記録を更新し、若手選手にその偉大さを見せつけた。これまでに多くの得点を記録しているカズだが、PKを蹴る機会も通算19回を数えている。

日本代表におけるPKでの得点は歴代最多の9ゴールである。得点を決めた後の“カズダンス”は有名で、今季最初のカズダンスを見られる日が待ち遠しいところだ。

8位:ドラガン・ストイコビッチ

【PK得点/PK数(成功率)】
16得点/22本(73%成功)

ストイコビッチ、引退前最後のホーム戦の広島戦は延長戦にもつれ込んだ。当時、Jリーグではまだゴールデンゴール方式を採用していた。PKを獲得した名 古屋。ストイコビッチはそのPKを冷静に決め、ゴール裏で待つサポーターの下へと走っていった。当時の光景を覚えているサッカーファンも多いのではないだ ろうか。

抜群のキック精度を誇っていたにもかかわらず、JリーグでのPK成功率は73%とそれほど高くない。PKが通常のキックとは別物だと感じさせられるデータと言えるだろう。

7位:ジョシュア・ケネディ

【PK得点/PK数(成功率)】
17得点/19本(89%成功)

2009年から2014年まで6シーズン名古屋グランパスに所属し、計64得点を挙げたケネディ。2010年には17点を挙げリーグ優勝に大きく貢献。翌年も19得点を挙げて2年連続の得点王となった。

PKを蹴る様子はとても落ち着いており、成功率は今回挙げた10名の中で3番目に高い80%である。2014年の鹿島戦では動かないGKの上を抜く、技 術が求められるPKも決めている。晩年は腰痛に悩まされ、2015年に母国、オーストラリアのメルボルン・シティで現役を終えた。

6位:ベッチーニョ

【PK得点/PK数(成功率)】
18得点/24本(75%成功)

湘南(当時:ベルマーレ平塚)在籍3シーズンで115試合56得点を記録したクラブ往年の名ストライカーだが、およそ4割はPKから生まれている。

1996年のジュビロ磐田戦ではハットトリックを記録しているが、うち2点はPKとFKだった。(なお、この試合では磐田のスキラッチもハットトリックを達成しているが、平塚が4-3で勝利している)

4位タイ:中山雅史

【PK得点/PK数(成功率)】
20得点/28本(71%成功)

佐藤寿人、大久保嘉人に抜かれるまで、J1最多得点記録は中山のものだった。キャリアの大半を過ごしたジュビロ磐田では、名波浩、藤田俊哉らから繰り出される上質のパスを受け、ゴールを量産した。PKではGKと駆け引きしつつ思い切りの良いシュートを突き刺した。

1999年の鹿島アントラーズ戦ではPKをゴール裏の『いわしん』の看板に当ててしまったこともあった。当時はセリエAのヴェネチアに所属していた名波監督は「外す時はだいたい上だから。あそこに当てるとね、(いわしんの)宣伝効果があるから」と笑っていた。

4位タイ:阿部勇樹

【PK得点/PK数(成功率)】
20得点/20本(100%成功)

日本にもPKの名手と呼ばれる選手は多くいるが、浦和レッズのキャプテンである阿部勇樹が日本一のPKキッカーなのかもしれない。

阿部は、Jリーグの試合で得たPKを外したことが一度もないのだ。PK得点ランク上位10選手のうち、成功率100%は阿部ただ一人である。

浦和移籍後はあまり蹴ることはなくなったが、優秀なFKのキッカーとしても知られている。PKでは相手GKとじっくりと駆け引きをしながら、持ち前のキックの精度でゴールに突き刺す。

ただ、Jリーグ以外の試合で外した経験もある。2013年にホームで行われたACLで対戦した広州恒大戦でポストに当ててしまった。

3位:大久保嘉人

【PK得点/PK数(成功率)】
21得点/25本(84%成功)

10日に行われた明治安田生命J1リーグ1stステージ第6節・サガン鳥栖戦でJ1通算159点目を決めた大久保嘉人。名実共に日本最高のストライカーの地位についているが、PKでも点取り屋らしい落ち着きで21得点を記録。

GKが反応しても届かないコースに確実に蹴ることのできるキック精度はさすがの一言。常に熱い気持ちで戦っているが、シュートを打つときの落ち着きは別格だ。

2位:福田正博

【PK得点/PK数(成功率)】
26得点/34本(76%成功)

“ミスター・レッズ”こと福田正博は浦和レッズ草創期の名ストライカー。1995年に日本人で初めてJリーグ得点王を獲得した際は32得点のうち14得点がPKによるものだった。遠藤保仁に次ぐ歴代2位のPK成功数を誇り「PK職人」として非常に有名な存在だ。

ドリブラーとして名を馳せた福田はペナルティエリア内でも自信を持って仕掛けるため、自らPKを獲得する場面も多かった。PK成功率の高さだけでなく 「Vゴール(ゴールデンゴール)」も多かったことで、記録だけでなく記憶にも残るストライカーとして多くのファンに愛されている。

1位:遠藤保仁

【PK得点/PK数(成功率)】
30得点/34本(88%成功)

遠藤保仁といえば「コロコロPK」が有名だろう。助走をゆっくり時間をかけGKの重心移動を最後まで見極めたうえで、その動きと逆方向にインサイドキックでスピードの遅いボールを転がす姿は遠藤の代名詞にもなった。

以前ジェフでプレーしていた立石智紀には2度PKをセーブされているが、いずれもJリーグの試合ではなく、今回のランキングの数字には計上されていない。

リーグ戦でのPK成功数30本に加え、カップ戦や日本代表戦でも数々のPKを成功させており、遠藤が「PKの名手」であることに異論を唱える者はいないだろう。現在もガンバ大阪でPKキッカーを務めている遠藤だが、今後どこまで記録を伸ばすのだろうか。

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