ハリル監督の代表選考 30代は苦難

日本サッカー協会は3日、千葉県内で7日から行われる合宿メンバー26人を発表した。国内でプレーする選手を対象に招集した26人は、J1川崎のDF車屋 紳太郎が初招集となった以外では、FW宇佐美貴史(G大阪)、DF森重真人(FC東京)など国内組の常連組が名を連ねた。

順当なメンバーにも見える。初招集の車屋も、ハリルホジッチ監督の初陣となった昨年3月のチュニジア、ウズベキスタン戦でバックアップメンバーとなっている。FW斎藤学(横浜M)はブラジルW杯以来の代表復帰だが、全体的な印象としてサプライズ感はなかった。

「国内組が海外組よりも良いパフォーマンスならば、私は問題なく彼らを(W杯予選に)呼ぶ」とJリーガーへの奮起を促す指揮官だが、メンバー全体を見回 して気になることがあった。26人の中で最年長は、GK東口順昭(G大阪)、西川周作、FW興梠慎三(共に浦和)の3人で、年齢は29歳。最年少は、 U-23代表にも名を連ね、カタールでリオ五輪の出場権を獲得したDF植田直通(鹿島)とFW浅野拓磨(広島)の21歳だ。

上から下まで、全員が20代。そこに指揮官の意図を感じる。メンバー発表時に発した「私は特に若手を信頼している」という言葉通り、ハリルホジッチ監督 は若手の育成に尽力しているのだ。この際に、名前が出てきた30代の選手は、FCソウルでプレーするMF高萩洋次郎だけ。「面白い。ある試合では、彼はサ ポートで入るかもしれません。既に30歳で、海外での経験がある。いつか、こういう選手が必要ならば、間違いなく呼べる存在だ」と評しているが、恒常的に 代表チームに呼び続け、チームの主軸となってほしい、とは考えていないようだ。

指揮官が求めること-。それは“伸びしろ”という言葉に集約されるのかもしれない。30代にして結果を残し続けているFW大久保嘉人、MF中村憲剛(共 に川崎)、遠藤保仁(G大阪)ら、代表への意欲を隠さないベテランにとっては厳しい現状だが、ハリルホジッチ監督が選んだ26人のメンバーを見渡して、そ んなことを感じた。

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