【J1】開幕直前チェック G大阪編|ACL制覇は至上命題。鍵を握るのはアデミウソンの活躍だ

現状は新戦力とのコンビネーションを模索している段階。

【プレシーズンを通じての収穫と課題は】

アデミウソンと藤本を獲得し、リーグ屈指のアタック陣を手にしたG大阪は、沖縄、宮崎と2度のキャンプを行ない、調整を進めてきた。

昨年に負った怪我の影響で岩下と西野、そして米倉が別メニュー調整で出遅れていたのは誤算だが、今季で4年目を迎えた長谷川体制において、チーム戦術はす でに浸透している。懸念された宇佐美の欧州移籍も一旦封印され、特に目立った戦力ダウンもない、“上積みの年”となった。

約2週間とオフが短かったため、選手たちはコンディションを維持しており、キャンプ中の負傷者は2年目の嫁阪のみ。「今年は前線に良い選手が多い。噛み合えば面白い攻撃になる」と遠藤もその化学反応に期待感を示している。

とはいえ、現状では新戦力のフィットを模索する段階で、ゼロックス杯では「試さないと分からないこともある。今はチームのレベルを上げるために苦しまな いといけない時期」(長谷川監督)と、あえて広島相手に未知数の攻撃陣をぶつけたものの1-3と完敗。守備重視で挑んだACL初戦の水原三星もスコアレス に終わるなど、攻撃陣の本領発揮にはほど遠い。

一方で、井手口の台頭で今野のCB起用がオプションになり、遠藤をACLで温存できるようになった。その点において、チームの底上げは着実に進んでいると言える。

宇佐美は「自然に分かる合えるものがある」とアデミウソンを高く評価。

【今季の目標達成へのポイント】

「狙えるタイトルは全部獲りたい」(遠藤)。昨季同様、今季も目の前の大会に全精力を注ぐ構えのG大阪だが、なかでもプライオリティが高いのは8年ぶりのACL制覇とJリーグタイトルの奪回だ。

2ステージ制度の導入で、第2ステージの巻き返しとチャンピオンシップでの下克上は可能だが、あくまでも目指すのは年間最多勝点。ACLと並行して行なわれるリーグ戦の日程は過酷だが、それを踏まえて獲得されたのが藤本である。

従来、長谷川監督はターンオーバーを否定していたが、今季はACL初戦で遠藤を先発から外し、井手口を抜擢。中盤から前線にかけて様々な起用が可能となっただけに、やはり指揮官の采配が大きなポイントになりそうだ。

そして、至上命令となるACL制覇の鍵を握るのは、アデミウソンの活躍だ。昨季は広州恒大の壁を打ち破れずに、準決勝で涙を飲んだ。そこで白羽の矢を立てたのが、攻撃陣をグレードアップさせるブラジル人アタッカーだった。

まだ遠慮もあり、周囲を活かすほうに注力している感もある元U-21ブラジル代表だが、宇佐美は「自然に分かる合えるものがある。彼がいれば、僕もより活かしてもらえる」と手応えを口にする。

アデミウソンが完全にフィットすれば、前人未到のACLとJリーグ制覇も実現可能だろう。

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