【G大阪】期待の即戦力に18歳の初瀬が躍動! 両エースの目覚めが“スロースターター”返上の鍵!?

プレシーズンマッチとはいえ、こけら落としで負けるわけにはいかなかった。

 市立吹田サッカースタジアムのこけら落としとなった14日の名古屋戦で、G大阪の新戦力たちが結果を残した。

ピッチとスタンドの最短距離が約7メートルと、日本で 最も選手たちを近くにみることができる新スタジアム。スタンド全席を覆う屋根と、箱形に作られた形状からもサポーターの声援が強く響くなかで、プレシーズ ンマッチとはいえ小倉隆史監督の就任で上位進出への機運が高まる名古屋に3-1で快勝。長谷川健太監督は「選手もこけら落としで負けるわけにはいかないと 言っていた。新加入の選手も持ち味を出してくれた。期待以上のプレーをしてくれて良かった」と今季開幕のゼロックス杯・広島戦(2月20日)に向け、手応 えを口にした。

この試合、ともに昨季は横浜でプレーしたMFアデミウソンをトップ下、元日本代表MFの藤本を右MFに入れた4-2-3-1の布陣で臨んだ。26分、左 サイドを突破したアデミウソンが、ゴール前のパトリックに絶妙なクロスを送ると、カットしようとした名古屋の竹内のオウンゴールを誘い先制。さらに同36 分には右サイドで得たFKを、藤本が得意の左足でゴール前に送り、今野が頭で押し込んで追加点を奪った。

後半に入って、47分にはゴール前の混戦を名古屋MF矢田に押し込まれて1点を返されたが、66分には宇佐美のCKを丹羽が頭で合わせてとどめの3点目を奪った。

アデミウソンは随所で一瞬のスピードや巧みなテクニックを披露し、カウンターの起点に。それでも「すべて適応しているわけではない。さらに向上させていきたい」といっそうの連係アップを課題に挙げた。

右サイドでためを作り存在感を放った藤本も、アデミウソンや宇佐美との連係でチャンスに絡むなど持ち味を発揮。期待の新加入即戦力が順調にチームにフィットしている様子が窺えた。

キャンプでの2試合を含め、いまだ無得点の両エースだが……。

 さらにこの試合、右SBのレギュラー格、米倉とオ・ジェソクのコンディションが整わなかったことで、ユースから昇格した18歳のDF初瀬が右SBで先 発。名古屋の永井とマッチアップし、日本屈指のスピードを生かしたプレッシャーに苦しめられ、パスミスを誘発させられたシーンもあったが、90分までプ レーして勝利に貢献した。

左SBが本職の初瀬は、右利きだが小学生のころから中村俊輔(横浜)にあこがれて左足のキックを磨き、今ではセットプレーも左足で蹴るという両利きが特 徴。「緊張もありましたけど、(丹羽)大輝くんとかみんなが声をかけてくれてなんとか試合に馴染めました」と語ったように、ミスを引きずらずに奮闘した。

現在チームには左の藤春、右の米倉、左右をこなすオ・ジェソクと3人のSBがポジションを争うが、長谷川監督はACLなど複数のタイトルを狙う上で、4 人目のSBとして若い初瀬の台頭に期待している。初瀬も守備力を課題に挙げ「1対1の対応など、もっと練習していきたい」とさらなる成長を見据えた。

一方で懸念材料を挙げるなら、両エースの状態か。昨季チーム得点王の宇佐美は3本のシュートを放ったが無得点。しかし「あの布陣でやるのは1試合目。僕自身のコンディションも、チームの状態も、まだまだ伸びていく段階なので」と意に介さなかった。

1トップに入ってシュート6本を放ったが無得点のパトリックとともに、宮崎キャンプで行なった2試合の練習試合も合わせ、開幕前の3試合でふたりとも無 得点というのは気がかりだ。例年、スロースターターのG大阪だが、今季は指揮官がこの試合前に「毎年スタートが良くないので、公式戦のつもりでいけ」と指 示したように、その悪癖改善を狙っている。ゼロックス杯から始まる2016年シーズン、G大阪の開幕ダッシュに注目が集まる。

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