W杯対戦国分析・チュニジア編 元チュニジア代表のJ1・G大阪FWジェバリ 一丸となって試合を優位に進める力がある

サッカーのW杯北中米3カ国大会1次リーグF組で日本と対戦するオランダ、チュニジア、スウェーデンをゆかりのある選手らに聞いて分析する連載の第2回はチュニジア編。チュニジア代表として前回の2022年W杯カタール大会に出場したFWイッサム・ジェバリ(34)=G大阪=が、母国の強みを明かした。(取材構成・邨田直人、田中一毅)

「サッカーが一番、身近なスポーツなんだ」。W杯3大会連続出場となるチュニジアの代表経験者で、G大阪所属のジェバリは明かす。アフリカの中でもチュニジアは比較的「貧富の格差は小さい」というが、家庭用ゲーム機は富豪の象徴。放課後、子供たちは路上に集まり、ボールひとつで日が暮れるまで遊ぶ。サッカーは娯楽であり、社会的なつながりを生む手段でもある。サッカー選手は、自然と子供たちの憧れの的になっている。

ジェバリ自身も12歳から同国リーグ強豪クラブの下部組織で技術を磨き、デンマークやアラブ諸国、Jリーグで活躍してきた。同国代表として出場した2022年カタール大会は「夢がかなった。言葉では言い表せないぐらいの喜びだった」と振り返る。

旧宗主国のフランスにルーツを持つ選手も多いチュニジア代表の強みは団結力だ。「スーパースターはいないが戦術的で、一丸となって試合を優位に進める力がある」とジェバリ。同国では、喫茶店内のゲーム機でコーヒーを飲みながら見知らぬ人と対戦するのが日常の光景。こうした日々が国民の団結力を育む。

サポーターも熱狂的だ。国内クラブのダービー戦は、約3000人の警察官がピッチを取り囲む厳戒態勢で行われる。「危険で家族も呼べない」ほどの厳しい環境下で戦う選手たちは、自然と強いメンタリティーを身につけていく。その成果は国際舞台でも発揮されており、カタール大会では準優勝したフランスから1次リーグで金星を奪い、世界を驚かせた。

アフリカ予選全10試合を無敗かつ無失点で突破した堅守ぶり、長身を生かしたセットプレーは要注意。ただ、予選の相手はいずれも現在は国際サッカー連盟(FIFA)の世界ランキング100位以下に沈む。今年1月には成績不振で監督が解任されて元フランス代表のラムシ監督が就任、再建を図っている。

それでも「僕らはW杯常連国だよ」とジェバリ。出場した過去6大会で一度もない決勝トーナメント進出へ、国民一丸で日本に向かってくる。

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