サッカーコラム G大阪・ジェバリが日本に伝えたラマダン 交流とリスペクト込め発信「皆さんと共有するのもサッカー人生の一部」
【No Ball、No Life】G大阪のFWイッサム・ジェバリ(34)が今月16日に行われたアジア・チャンピオンズ2決勝でアルナスルを破っての優勝に貢献。先発で先制点をアシストし、大会MVPに輝いた。2023年にG大阪に加入して今年で4シーズン目。クラブ愛を深め、「ガンバ大阪でACL2を優勝した時の喜びはW杯にもう一度出るよりも上回るんじゃないか」とまで語ってタイトルを熱望していた背番号11が栄冠をつかんだ。
チュニジアで生まれ育ったジェバリはスウェーデンやサウジアラビア、デンマークのクラブなどを渡り歩き、2023年にG大阪に加入。来日4シーズン目を迎え、日本で過ごす時間を重ねて今年3月、自身と自身が大切にするものを伝える機会を作った。自身のXで「ガンバ大阪の素晴らしいファンの皆さん、Jリーグのすべてのサポーターの皆さん、そして日本の皆さんへ」から始まるメッセージを投稿。イスラム教徒として、ラマダンが自身にどのような意味を持つのか伝える言葉を続けた。
ムスリムにとってラマダンは「信仰においてとても神聖な時期」と伝えるジェバリは、その期間を日中の断食という具体的な行動にとどまらず「心を見つめ直し、祈り、自分を律し、感謝の気持ちを深める時間」と記す。10以上の投稿を重ねて言葉を尽くし、「いつも応援と優しさをありがとうございます」という言葉で締めくくった。
筆者もこの投稿がきっかけでこれまで思いを寄せることが少なかった生活のあり方を知ることができ、感謝を伝えるとともにジェバリにこの投稿について聞いた。ジェバリは「まずはラマダンを問題なく実行させてくれたクラブへの感謝、そして自分の信仰を常にリスペクトし、サポートしてくれるサポーターに敬意を表して説明したいと思って投稿した」と教えてくれた。
ラマダンに関する質問は以前から受けることがあったといい、「自分の信仰の一部として分かっていただくのも必要だし、分かっていただきたいという気持ちが強まった」と投稿の背景を明かした。「皆さんと情報を共有するのもサッカー人生の一部だと思っている。このような状況、環境を作られた日本の方々にはリスペクトしかないし、感謝しかない」と快適なプレーと生活を担保してくれる環境への思いを語った。
チュニジアのメディアから日本について聞かれることもあるといい、アウェーでも試合が終わると相手サポーターが自分たちを快く送り出してくれる環境に「ここまで人を敬う気持ち、リスペクトが表現されているのはこれまで見たことがなかった」とJリーグの好きな部分を伝えてくれた。ピッチで特別な存在感を放つ背番号11は、ピッチを離れても異なる文化のあり方を伝える特別な〝パス〟を届けてくれている。



