「誰も弱音を吐かなかった」G大阪戦士たちが語るACL2決勝の壮絶舞台裏
5月16日(月)夜、サウジアラビアから帰国した選手たちを待っていたのは、6,500人を超えるサポーターの大歓声だった。
本拠地・パナソニックスタジアム吹田で行われたACL2優勝報告会。選手たちが姿を見せると、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。
サポーターの前での報告会、さらに2000本ものビール瓶を開けて喜びを爆発させた“ビールかけ”を終え、一息ついた頃――。
山下諒也「みんな最高でした」
中でも、最も興奮を隠せなかったのが山下だった。
報告会でスタンドを埋め尽くしたサポーターを前に、東口順昭から「試合前は不安そうだった」と暴露される場面も。それでも山下は笑顔を浮かべながら、決勝の舞台を振り返った。
「日本でやったらまた違ったんでしょうけど、圧倒的アウェイの中で試合をするのは楽しかったです」
11連戦に加え、長距離移動も重なった過酷な日程。チーム全体が満身創痍の状態だったという。
それでも、「誰も弱音を吐かず、試合に集中できたことに意味があった」と語った。
自身については、「できるだけ普段通り、ナチュラルに過ごすことを意識していた」と明かし、「そのおかげで良いプレーをできたと思います」と笑顔を見せた。
一方で「ただ、もう11連戦はしたくないですけどね」と最後は山下らしく笑いを誘った。 決勝では前線からのハードワークでチームを支え、その献身的なプレーにはサポーターからもひときわ大きな歓声が送られていた。
鈴木徳真「このタイトルは、自分たちだけじゃ取れなかった」
一方で、鈴木徳真は“クラブとしての積み重ね”を強調した。
「2024年からの積み重ねがあって、ここまで来ることができたと思っています。そういう意味では、関わってくれたすべての人に感謝したいです」
さらに、「なかなか“一番”になれることはないですし、また一番になれるように頑張りたい」
と、次なるタイトル獲得への意欲も口にした。
チームには、これまで数々のタイトルを経験してきたスタッフたちもいる。
「レジェンドたちの力を借りてタイトルを獲ることができて、ガンバ大阪に来て本当に良かったなと思いました」
冷静な口調の中にも、確かな充実感と、クラブにタイトルをもたらした安堵感がにじんでいた。
さらに鈴木は、「ここで終わりじゃない」とも語る。アジア王者となった今、その視線はすでに次の戦いへ向いていた。
荒木琉偉「緊張感はありました」
一方で、18歳GK荒木琉偉は、どこか初々しさを残した表情で報告会を振り返った。
「こんなにたくさんの人が来てくれて、“ガンバってすごいな”と思いました」
18歳らしい率直な言葉だった。
ACL2では準決勝まで、元日本代表で経験豊富な東口順昭GKがゴールマウスを守ってきた。
その中で、大舞台を経験した荒木にとっても、この優勝は特別な意味を持つ。
「アル・ナスルFCの前線には知名度のある選手がたくさんいて、本当に楽しかったです。フェリックスなんかは怖いと感じましたけど、チーム全員が体を張ったら守れるんだなと自信にもなりました」
決勝の舞台で得た手応えを、そう振り返った。
一方で、その視線はすでに次を見据えている。
「まだまだ課題もありますし、もっとレベルアップしていきたい」
クラブの歴史に刻まれたアジア制覇。
その舞台で経験を積んだ若きGKは、歓喜の時間の中でも静かに前を向いていた。



