ガンバ名和田我空の危機感「まだまだだな」。プロ1年目に悔しい思い。“今年はやってやる”「そういう気持ちをどれだけ表現できるか」
「守備でも、もっと自分で奪うシーンが増えれば」
3年間続いたダニエル・ポヤトス監督体制に終止符が打たれ、今年からドイツ人のイェンス・ウィッシング監督が率いるガンバ大阪。1月12日からの沖縄キャンプでは連日ハードな2部練習が行なわれ、戦術浸透とフィジカル強化の両方が推し進められてきた。
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「彼がやりたいのは、前に速く攻撃的に行くというサッカー。そこはかなり意識づけされていると思います」と中谷進之介は話す。最終日(25日)に行なわれた北海道コンサドーレ札幌との45分×3本のトレーニングマッチでも一定の成果が得られたと言っていい。
結果的にはデニス・ヒュメット、宇佐美貴史、唐山翔自、當野泰生が得点し、4-1で勝利。良い形でキャンプを打ち上げることができた。
「ただ、ハイプレスがハマらないと、どうしても体力を消耗してしまうところがある。そこはもっと詰めないといけないですね。前に行く意識、縦に速くというスタイルは見えてきているので、メリハリがついていくと、もっと良くなるんじゃないかと思います」
中谷が指摘した部分を新指揮官は今後、詰めていくと見られる。2月7日のJ1百年構想リーグ開幕・セレッソ大阪戦までにどこまでチームの完成度を引き上げられるのか。そこは1つの注目点と言っていい。
そのキャンプ最終戦で、アグレッシブな仕掛けを見せ、好印象を残したのが、高卒2年目の名和田我空だった。19歳のアタッカーは右サイドを積極果敢に駆け上がり、ゴールに絡む縦パスを供給。自らシュートを打ちに行く貪欲さも押し出したのだ。
「得点の部分は惜しかったなというのが正直なところですけど、前への意識を強めたなかでデニスがゴールに向かうパスを出せたのは良かった。守備でも、もっともっと自分のところで奪うシーンが増えればいいなとも感じました」と、名和田はまず収穫と課題を口にした。
「ただ、自分としては『まだまだだな』という印象が強いですし、『今年こそは』という思いも強い。ガンバの2列目のポジションには良い選手がたくさんいるんで、そういう選手に負けないように頑張らないといけないですね」と彼は強い危機感を吐露していた。
そういう感情を抱くのもよく理解できる。プロ1年目の2025年は開幕の大阪ダービーでスタメン起用され、華々しいデビューを飾ったが、J1出場試合数はわずか4にとどまった。ベンチ外が長く続き、シーズン終盤のアジア・チャンピオンズリーグ2の東方戦、ラーチャブリー戦でゴールを挙げたものの、目立った活躍はそのくらいだった。
神村学園時代の2023年にU-17アジアカップでMVPと得点王に輝き、将来を嘱望された名和田がプロの壁にぶつかっている間に、同い年の佐藤龍之介(FC東京)らが爆発的に成長。先のU-23アジアカップでは優勝という栄冠も掴み取ったのだから、焦燥感を覚えないはずがない。
「もちろん悔しい思いは常に持っていますし、メンバーから外れた昨年のU-20ワールドカップもそうだった。結局は結果を残すことが一番重要だと痛感しています。
プロ選手である以上、毎年毎年が勝負だとは思っていますけど、昨年に悔しい思いをしたぶん、本当に『今年はやってやる』という気持ちがすごく強い。そういう気持ちを、開幕してからどれだけプレーで表現できるかだなと感じています」
今年は確固たる爪痕を残すしかない
目の色を変えて日々のトレーニングに向かっている名和田。本人も言うように、ガンバの2列目は実績のある山下諒也、怪我を乗り越えた食野亮太郎、レンタルバックした唐山と中村仁郎、助っ人のウェルトンと非常に多くのライバルがいる。
ただ、ウィッシング監督はこれまでの序列とは関係なく、フラットに選手を評価するはず。そこは名和田のような実績の乏しい若手にとっての追い風になりそうだ。
かつてスーパールーキーと称された若武者がプロ2年目の今年、大ブレイクできれば、U-23日本代表に滑り込めるチャンスは大いにある。現時点ではリードを許している佐藤らに追いつける可能性も広がってくる。そういう成長曲線を辿るためにも、今年は本当に確固たる爪痕を残すしかないのだ。
母校の神村学園が今月の高校サッカー選手権で初優勝したことも刺激にして、名和田は確実に停滞感を払拭すべきである。彼のキャリアを大きく左右すると言っても過言ではない2026年の動向を冷静に見守りたいものである。



