[プレビュー]ポヤトスファミリーの総決算。3年間積み上げてきたスタイルと勝利で今季の最後を締めくくる
リーグ戦の最終節となる東京V戦では中谷が負傷交代するアクシデントを乗り越え、4-1で快勝。試合後にはアラーノとともにガンバクラップを先導し、愛してきたサポーターと特別な瞬間を過ごしたポヤトス監督だが、ガンバの戦いはまだ終わらない。
市立吹田サッカースタジアムでガンバが挑むのはACL2のグループステージの締めくくりとなるラーチャブリー戦だ。
「この試合がガンバでのラストの試合になる。アウェイでも苦しんだ相手に自分たちは勝ち、6戦6戦という形でグループステージを締めるというモチベーションで戦う」とポヤトス監督は過去3年間貫いてきた一戦必勝のスタンスを崩そうとはしない。
既に前々節のナムディン戦でノックアウトステージへの切符は手にしているガンバだが、2年目を迎えたACL2で過去、グループステージ6戦全勝を果たしたチームはゼロ。今季はガンバとクリスティアーノ ロナウド擁するアル・ナスル(サウジアラビア)のみが5戦全勝を飾っているが、目指すのは勝利のみである。
「僕たちにとって、ダニと試合をするのは最後。有終の美を飾って、送り出したい」と前日会見で福岡が力を込めた言葉は選手全員にとってのモチベーションである。
チーム最年長の東口はACL2の5試合で存在感を見せてきたが「1位通過は決まっているが、ダニと築き上げてきたサッカーでいい形で勝ちたい」と気合十分。アウェイでもビッグセーブを連発した守護神は、ラーチャブリー相手に立ちはだかるはずだ。
そしてルーキーイヤーの締めくくりに燃えるのが名和田である。アジアデビューを飾った東方戦では待望のプロ初ゴールをゲット。「自分の持っているものは全て出したいし、今季最後のパナスタで点を獲りたい」と名和田は未だ手にしていないホームのサポーターの前でのゴールを目指すつもりでいる。
一方のラーチャブリーもこの一戦に全てを賭けて乗り込んでくる。現在3勝2敗の勝点9で、敗れた場合、得失点差で3位のナムディンに抜かれて敗退する可能性はあるが、引き分け以上でグループ2位での通過が決定する。
アウェイでは苦しめられた元U-20ブラジル代表のネゲバを筆頭に、デニウソンら警戒すべきブラジル籍アタッカーを揃えている。「セットプレーでは相手に触られていたし、ラーチャブリーは引き分けでもいいので、負けないサッカーをしてくるかもしれない」と相手の出方を警戒するのは福岡だ。
「支配するサッカー」を追求してきたこの3年間でポヤトス監督が常に選手に求めてきたのは「ビヒランシア(リスク管理)」というスペインのサッカー用語でもある。
3年間、苦楽を共にしてきたポヤトスガンバにとっての集大成となるラーチャブリー戦。「俺たちはファミリーだぞ、という団結した力を見せたいと思うし、その力を見せることで、幸せに出来るというところも見せたい」とポヤトス監督は力を込めた。
スペイン語でハッピーエンドは「フィナル・フェリース」。勝利とともに情熱的な指揮官の花道を飾って見せる。



