W杯の日本戦は「ほこたて対決」か。チュニジア代表、イッサム・ジェバリを抽選会の半日後に直撃取材した
ワールドカップ北中米大会の抽選会が行われた約半日後の12月6日。チュニジア代表でもあるガンバ大阪のFWイッサム・ジェバリは、特別なモチベーションとともにパナソニックスタジアム吹田のピッチに立っていた。東京ヴェルディ相手に2ゴールを決め、勝利に貢献したジェバリに、日本代表と同じグループFに振り分けられた組み合わせや展望などをミックスゾーンで取材した。
日本代表と同居したグループFは「自分の中では一番の嬉しい驚きだった」
11月12日のモータリニア代表戦で2023年10月以来の代表復帰。モータリニア戦は無念の負傷交代に終わったものの、ガンバ大阪でハイパフォーマンスを見せているジェバリの代表復帰は納得だった。そんなジェバリは12月6日未明の抽選会は、同日午後2時キックオフの東京ヴェルディ戦が控えていたこともあり、生中継を見ることはなかったというが「皆さんと見解は一緒で、驚きしかないです」と笑った後、「自分の中では一番の嬉しい驚きだったということは隠せないですね」と率直な胸の内を明かした。
2022年6月のキリンカップサッカー2022決勝ではパナソニックスタジアム吹田で行われたが、日本代表を3対0で破ったチュニジア代表の一員としてジェバリもプレー。試合を決定づける3点目を決めているジェバリだが、当時から『「非常に素晴らしい国で、ここでプレーできたらいいよね」なんていうことを本当に家族の中で話していた中のオファーだった』とガンバ大阪からの誘いをこう明かしてくれたことがある。
2023年からガンバ大阪でプレーするジェバリだが、当時から意識していたのは自身にとって2度目のワールドカップとなる北中米大会。2年ぶりの代表復帰を果たし、北中米大会でのメンバー入りも現実的に視野に入ってきたが、「大きい舞台で戦うのはサッカー選手の夢だし、その中ですごく強い日本と対戦できるのは自分にとってもいい機会。そのようなビッグマッチは自分の心に残る。もちろん自分がワールドカップでプレー出来るのであれば、だけど、しっかりと心に刻んでいきたい」と東京ヴェルディ戦後に語った。
日本代表の印象を聞くと「お世辞を抜きに、今の日本は本当に強いと思う」
Jリーグで3シーズンを過ごし、日本のサッカーを間近に見てきたジェバリだが、現在の日本代表の印象を聞くと「お世辞を抜きに、今の日本は本当に強いと思う。ペースも早いし、攻撃でも守備でも非常に高いパフォーマンスを出してくる。世界のトップランカーと言っても過言ではない」とキッパリ。人柄にも優れるジェバリだが、社交辞令でなく、リスペクトを持っている。
ただ、「カルタゴの鷲」の異名を持つチュニジア代表で2022年のカタール大会にも出場。初戦ではフランスを1対0で下しているが、ジェバリ自身は母国の代表のプライドも口にした。「タフなグループステージになるが、自分たちが4年前にプレーした時もデンマークとフランスが突破すると思われていたが、自分たちもそれなりのサプライズを起こすことが出来た。今回はオランダ、日本、そしてチュニジア、欧州のプレーオフの国だが、自分たちもサプライズを起こすという気持ちで今回も臨むことがこれからの使命になる」と言い切った。
日本代表との試合は「矛と盾のような、いい試合になると思う」
カタール大会ではフランスに勝利しながらもデンマークと引き分け、オーストラリアに敗戦。グループD3位で敗退しているがジェバリは2試合で先発出場。その経験値を生かしてくるはずだ。
3大会連続、7度目の出場となるチュニジアだが現在のFIFAランクは40位。アフリカ予選を10試合無失点で通過しているが、ジェバリが感じるストロングポイントは「日本は攻撃に長けているチームだが、チュニジアはディフェンスでも非常にアグレッシブで、守備を重点に置く代表チーム。その辺では矛(日本の攻撃)と盾(チュニジアの守備)のような、いい試合になると思う。アフリカで無失点を続けるのはさすがに難しいよ」と守備力に自信を見せる。
インスタグラムのアカウント名は「ジェバリーニョ」、そのワケは?
11月9日のJ1リーグ、ヴィッセル神戸戦ではマテウス・トゥーレルや山川哲史らを相手に圧巻のボールの収まりを見せたジェバリのポストプレーはリーグ屈指。そして自身のインスタグラムのアカウント名を「ジェバリーニョ」とするジェバリだが、その由来は「友達が自分のことをジェバリーニョって呼んでくれていた。自分の中でロナウジーニョは、アイドルですし、そういう風に呼ばれていたので、それをアカウント名に使っているんだ」。ポストプレーと足元の上手さを持つジェバリは、北中米大会でメンバー入りすれば、日本代表が警戒すべき選手の一人になるのは言うまでもない。
「来年も自分は日本でプレーして、そこからチュジニア代表としてワールドカップを目指すことが当面の目標になる」。イッサム・ジェバリはJリーガーとして北中米大会を目指す。
https://news.yahoo.co.jp/users/expert/shimozonomasaki/articles?page=1



