新井泰貴の先制点が証明した「攻撃でのプラス面」、宇佐美貴史の同点弾で露呈した「守備でのマイナス面」【G大阪戦で分かった「最下位・新潟」が最初にすべきこと(2)】
アルビレックス新潟のチーム状況も含めて、2025年9月27日、明治安田J1リーグ第32節、ガンバ大阪対アルビレックス新潟戦が試合を分析する。動画で確認しながら文章を読んでほしい。
なお、試合を詳細に分析するために、試合のダイジェストにしたがって話を進めていく。読者の皆さんには、以下のJリーグ公式ハイライト動画を見て、プレーの詳細部分を確認してほしい。
https://www.youtube.com/watch?v=FdqTv1MFFhM&t=1s
■作り上げた「ゴール前の攻撃パターン」
【15分の新井泰貴の先制点までの経緯】
新潟FW谷口海斗から横パスが入る。そのボールを受けたMF島村拓弥がG大阪のDFの間にボールを送る。そこにMF新井泰貴が走り込んでシュートを決める。
まずG大阪CBの中谷進之介が、谷口にもっと激しくプレスに行かないとならない。しかし、激しく行かない理由は、プレスに行って相手に食いついて剥がされるよりも、守備の人数が足りているので、守り切れると考えたのだろう。
G大阪CBの福岡将太は、横パスを出されたときに、ダイレクトでパスが自分の横に出されるとは思っていなかった。ましてや島村にパスが出される前に新井がペナルティエリアに走り込んでくるとは考えていない。だから、福岡の足が止まってしまっているのである。
新潟のこの攻撃は、谷口から島村にパスが届く前に新井がスタートダッシュしているので、繰り返しトレーニングで行われた攻撃パターンだとわかる。新井がこれだけ確信して走り出しているのは、トレーニングで作り上げたからであろう。こうしたゴール前での攻撃が新潟のポジティブな面である。
■DFとして「やらなければいけないこと」
【37分の宇佐美貴史の同点ゴールまでの場面】
右サイドのG大阪FW山下諒也に、縦へのミドルパスが出される。山下はマイナス気味にペナルティエリア中央にパスを出す。フリーで走り込んできたG大阪宇佐美貴史が右足でシュートを決める。
まず、新潟の4人のDFがボールサイドにスライドしていない。全体がボールサイドにスライドしていれば、山下にSBの橋本健人が抜かれてもCBの早川史哉がカバーに行けたはずだ。
さらに、走り出す宇佐美に対して誰も追いかけようとしない。この場面は動画を見てもらいたいのだが、新井は最初、宇佐美の横に立っている。宇佐美が動き出した後に気づいて追いかけたが、すぐに諦めて歩いている。新潟のDF陣は縦パスを蹴られる前の準備ができていない。
ボールを出されてから動いているので、相手のスピードの間に合わない。右サイドで2対2になっていて、寄せが甘いのでG大阪に簡単に剥がされてしまっている。ここで激しく競り合っていれば、簡単に縦パスを出されなかった。
左SBの橋本が山下を見える位置に立っていて、隣のCBの早川がスライドして左に寄っていれば、ケアできた場面だった。要するに、DFとしてやらなければいけないことができていないのである。
続いての49分のゴール以降については(3)で分析する。



