パトリック2年後帰化熱望、日本代表でW杯出場狙う 日刊スポーツ 1月9日(土)8時5分配信

サッカー日本代表に強力助っ人が加わる可能性が8日、出てきた。G大阪のブラジル人FWパトリック(28)が、日本国籍取得を検討していることを明かし た。帰国中のブラジルで現地メディアに、日本代表として18年W杯ロシア大会出場を狙うことを明言。189センチのパトリックは身体能力を生かした得点力 が最大の武器で、日本には存在しないタイプ。実現すればハリルジャパンにとって大きな戦力になる。

ハリルジャパンに、夢のような“大型補強”プランが持ち上がった。G大阪の点取り屋パトリックが、帰国中のブラジルで現地メディア「ディアリオ」のイン タビューに応じ、日本国籍取得を考えていることを明かした。法務省が定める国籍法には、国籍取得に際して、日本在住5年以上が必要とある。それらの条件を 把握した上で、国籍変更を熱望した。

「他国のクラブからいくつかオファーを受けたが(G大阪に)残留することにしました。もう日本に3年いる。2年後には日本で国籍変更を申請しようと考え ている。日本代表には私のようなプレースタイルの選手が少ないので、代表にとって(自身の国籍変更は)良い選択になると思う」

14年にはG大阪3冠獲得の立役者となった。189センチと大柄だが、身体能力を生かしたスピードと決定力が武器。今年の元日、天皇杯決勝浦和戦では個 人技で2得点を決めて2-1の勝利に貢献。G大阪を2連覇へ導いた。昨夏には中東クラブからオファーを受けるなど、得点力はJリーグの助っ人ではトップク ラスだ。

ハリルホジッチ監督にとっては朗報だ。現在の代表FWは岡崎や武藤、宇佐美らで、どちらかといえば攻撃的MFを本職にする選手ばかり。生粋のストライカー が不在だ。過去には本田や香川らがFWに入り、事実上の「ゼロトップ」で臨んだこともあった。そのため、同監督は1トップができるFWを探してきたとされ る。パトリックが日本国籍を取得すれば、日本が長年抱えてきたFW不在の悩みが解消される。

実現には障害があるのも事実だ。パトリックの日本居住5年が到達するのは、18年W杯の目前。さらに、小学校2、3年生程度の日本語の読み書き能力が必 要とされる。現在は片言の日本語しか話せないため、語学習得は必須条件になる。過去には元日本代表のFW呂比須、DF闘莉王、三都主らが国籍を変更。一方 で、日本国籍が認められなかった選手も多くいる。それでも本人は、本気だ。

「W杯は全ての選手の夢だ。2年後も(現在と)同じようなプレーができることを願っている」

あくまでも日本代表として18年W杯に出場することを訴えかけた。

<国籍を取得し日本代表入りした選手>

◆吉村大志郎 67年にブラジルから来日し、ヤンマーに入団。70年に日本国籍を取得し日本代表入り。

◆与那城ジョージ 72年ブラジルから来日し読売クラブへ。85年日本国籍を取得し、同年W杯アジア最終予選2試合プレー。

◆ラモス瑠偉 ブラジルから来日し、89年国籍取得。日本代表の司令塔として93年のW杯アジア最終予選などで活躍。

◆呂比須ワグナー 97年に国籍取得。98年のW杯フランス大会出場に貢献し、本大会では中山のW杯初ゴールをアシスト。

◆三都主アレサンドロ 明徳義塾高からプロ入りし、清水、浦和などで活躍。02、06年とW杯2大会に出場した。

◆田中マルクス闘莉王 千葉・渋谷幕張高への留学で来日。10年南アフリカW杯で日本代表を16強に導いた。

◆李忠成 在日4世。日本国籍を取得し、11年アジア杯決勝オーストラリア戦で決勝弾を決めた。

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