前半4発のU-16日本代表がコートジボワールを5-1で撃破。2戦2勝で並ぶフランスとの“優勝決定戦”へ
[6.6 U-16インターナショナルドリームカップ第2節 U-16日本代表 5-1 U-16コートジボワール代表 Jヴィレッジスタジアム]
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U-16日本代表は6日、「U-16インターナショナルドリームカップ2025 JAPAN」(福島・Jヴィレッジスアジアム)第2節でU-16コートジボワール代表と戦い、5-1で快勝した。2戦2勝の日本は、8日の最終節で同じく2戦2勝のU-16フランス代表と対戦する。
日本は1-0で勝利したU-16コロンビア代表戦から先発8人を変更。GKが佐藤大翔(浦和ユース)でDFは右から上野暉晏(柏U-18)、森井莉人(広島ユース)、岡元侑大(G大阪ユース)、エゼモクェ・チメヅェ海(C大阪U-18)の4バック。中盤は藤本祥輝(G大阪ユース)がアンカーに入り、インサイドに和田武士(浦和ユース)とゲーム主将の小笠原央(鹿島ユース)、そして、右SH三井寺眞(FC FUORICLASSE SENDAI)、左SH野田歩(立正大淞南高)、1トップを平井一輝(熊本ユース)が務めた。
コロンビア戦の前半はボールを保持される時間が続き、セカンドボールを回収されて速攻を受けるシーンも多かった。だが、この日は小野信義監督が「改善するところは改善と、あとは自分たちがこう向かうという理想。改善だけじゃ絶対良くなっていかないので、双方向からやって行こうっていうところで、まだまだたくさんエラーというかはあるけれど、自分たちがやりたいことを選手たちが意識的にやってくれたかなと思います」という戦い。前半だけで4点をリードする展開に持ち込んだ。
特に前半はアンカーの藤本をはじめ、ピッチ内での声がよく聞こえてくるような45分間に。サイドプレーヤーが守備時の中への絞り込みを意識し、DFラインも押し上げようとしていた。そして、藤本がセカンドボール回収、インターセプトを連発。小笠原が初戦同様、積極的にボールに係わって前進させ、右SB上野や左SH野田がクロスを上げる。
前半15分には左中間から小笠原が強引に仕掛け、サポートした平井が迷わず左足一閃。21分には右ハイサイドへ飛び出した和田のクロスに平井が飛び込んだ。そして、前半24分、日本が先制する。出足の良い守備を見せた野田が敵陣左中間でFKを獲得。このFKを小笠原が右足でゴール前に入れると、ファーサイドのエゼモクェが頭で右隅に決めた。
小笠原は「今日の試合っていうのは優勝に向けて非常に大事な試合になるっていうのはチーム全員で意識していました。相手チームは非常に身体能力的にも優れていて、自分たちは組織的なところ大事にしながらも(個で)引けを取らずに前から行くっていうのは意識していて、球際だったり、そういうところはアップのところからお互いに声かけて上手くやれていて、試合前のところでもセットプレーは大事になるって話している中で、最初セットプレーから先制点を取れたところが良かったかなと思います」と振り返る。
コートジボワールは登録身長を大きく上回るようなサイズ感。だが、エゼモクェも「みんな球際のところでも勝っていて、全然戦えてたっていう印象です」と説明したように、日本は球際で負けない。敵陣でボールを奪うことを意識していたという藤本や岡元、森井らが攻め切られる前にボールを奪い返した。
その日本は相手のミスを得点に結びつける。前半31分、小笠原の展開から右中間の三井寺が右前方へパス。駆け上がってきた上野が右足でクロスを上げると、コートジボワールDFのオウンゴールを誘い、2-0となった。
さらに34分、小笠原の左クロスは逆サイドへ流れたものの、ルーズボールを追った三井寺が相手DFの不用意なファウルによってPKを獲得。前日に追加招集された中学生レフティが自ら左足で決め、3点差とした。
止まらない日本は41分にもCB森井から藤本、和田と中央からテンポの速いパスワーク。そして小笠原が平井とのワンツーで一気に中盤を突破する。最後はDFを引き付けて左前方へラストパス。これを野田が右足ダイレクトのループシュートで決め、4-0で前半を終えた。
日本は後半開始からエゼモクェと三井寺を左SB井芹響輔(大宮U18)と右SH児山雅稀(帝京長岡高)へスイッチ。だが、後半立ち上がりはコートジボワールのペースで試合が進んだ。コートジボワールは前半途中に4-4-2から4-3-3、さらに後半は日本の中盤3人をマンツーマンで封じに来るなど試合の中で変化。後半10分にはCBモハメド・ジュニオール・トゥーレ(CFディアンバルス)のロングフィードをFWユベール・ヤオ(AFEX)が競り勝って抜け出し、そのまま右足ループシュートを決めた。
日本がロングボールに対する守備やビルドアップで苦戦したこともあって、コートジボワールは前半の2本から後半はシュート数を10本にまで伸ばした。日本は11分にPAのこぼれ球から、13分にも右CKから決定的なピンチを迎えたが、いずれもGK佐藤のファインセーブで阻止。後半15分に上野、野田、小笠原、和田に代えて右SB橋本凜来(FC東京U-18)、MF岩土そら(鹿島ユース)、MF里見汰福(神戸U-18)、MF木村風斗(川崎F U-18)を投入した。すると23分、左サイドの木村が左CKを獲得。これを里見が右足で入れると、大外の橋本が頭で押し込み、5-1とした。
日本はともに交代出場でインサイドに入った岩土や里見がビルドアップを落ち着かせ、橋本が児山とのワンツーで一気にPAへ潜り込むなど貪欲に次の1点を目指す。26分に岡元とCB相馬陸人(FC東京U-18)を交代。31分には平井とFW高木瑛人(鹿島ユース)を入れ替え、初戦フル出場のGK大下幸誠(鹿島ユース)を除く全選手が出場した。
この後も高木と里見のコンビで崩しに行ったほか、児山の右クロスに高木が飛び込もうとする。点差が開いたこともあり、波のある戦いになってしまったことは否めない。それでも、終盤に相馬や井芹が相手のロングボールやサイド攻撃を跳ね返すなど5-1で勝ち、2戦2勝。今年、国際大会でU17アジアカップやU-17ワールドカップでの予選リーグ突破を想定した戦いをしてきたチームは、4チームで争われている今大会の2位以内を決めた。
小野監督は「勝ち点6を取れたのは、1個目の段階としては良かったかなと思います」と評価。チームは前半に4人、5人と係わっての鮮やかなゴールがあったほか、守備時に4-4-2システムへ可変し、前線や中盤がしっかりとラインを構築しながら守るなどできることも増やしている。
得失点差で「U-16インターナショナルドリームカップ2025 JAPAN」の首位に立った日本は、8日にフランスと“優勝決定戦”。指揮官は「前回のフランス遠征の中で見たフランスっていうのは、やっぱり相当レベルが高かったから、そういう中で、どんなことできるのか。個人、チームのどんなことが通用するのかっていうのは、凄くいい機会ですし、自分自身は楽しみです」と語り、小笠原は「前回モンテギュー(国際大会)でやった時は2-3で負けているし、(フランスは)この世代でも1つ抜けてるっていうか、非常に強い印象があるので、そういう中でも自分がしっかり存在感出して、絶対勝てるように頑張りたいです」と誓った。課題となった部分の改善と自分たちの良さを出すことを求め、強敵を上回る。



