【識者推奨】6月シリーズに臨む森保Jで見たい選手は?| 町野修斗と関根大輝の本格テストは必須。今季欧州で活躍度大の2人も試したい
鈴木唯人のような逸材を戦力にできれば選手層は厚くなる
アジア最終予選で2試合を残し、北中米ワールドカップ出場を決めている日本。ここからは“W杯仕様”のチーム作りに着手できる。戦力の底上げは1つのテーマになるはず。本稿では、オーストラリア&インドネシアと戦う6月シリーズの推奨メンバーを紹介。日本代表やJリーグを精力的に取材するフリーライターの元川悦子氏に訊いた。
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2026年北中米ワールドカップの出場を早々と決め、6月からは本大会に向けた本格強化に乗り出す森保ジャパン。5月23日にはアジア最終予選のラスト2連戦に挑む日本代表メンバーが発表されるなか、森保一監督は欧州組の出場時間やケガの状況を加味し、10人程度を入れ替えると言われている。
一部では24年のパリ五輪世代を大量招集してテストするとも報じられているが、若い世代の底上げは確かに今の代表に必須。指揮官が積極的なチャレンジをするのであれば、大いに歓迎したい。
そこで、真っ先に試してもらいたいのが、昨年10月シリーズから継続的に呼びながら、まだ一度もピッチに送り出していない関根大輝(スタッド・ドゥ・ランス)だ。今年1月に欧州5大リーグに赴き、瞬く間に定位置を確保した22歳のDFを使わない手はない。
S・ランスはリーグ・ドゥ(フランス2部)降格危機に瀕し、今月21日と29日にメスとのプレーオフに臨む。また24日には王者パリ・サンジェルマンとのクープ・ドゥ・フランスの決勝も控えるという超過密日程。それだけに、6月シリーズ参戦は厳しい部分もあるが、パリSGのような世界最高峰チームと対戦し、その基準をそのまま代表に持ち込んでプレーできるメリットもある。
今、一番伸びていると言っても過言ではない選手を試すのであれば、この機会しかない。DF陣が手薄になっている現状を踏まえながら、長いプレータイムを与えてほしいものだ。
パリ五輪世代の2人目は来季からブンデスリーガのフライブルクへのステップアップが確実視されている鈴木唯人(ブレンビー)。彼はちょうど1年前の6月シリーズにも招集され、ミャンマー戦で初キャップを飾っているが、その時はまだ自分らしさを思い切り出せていなかった。
しかしながら、今季もデンマーク1部で辛抱強くプレーし続け、ここまで12ゴール・6アシストという安定した結果を残している。彼は一度、リーグ・アンのストラスブールにチャレンジした過去があり、その時は出場機会をほぼ得られなかったが、次は確固たる実績を持って5大リーグに返り咲くことになる。そういう逸材をしっかりと代表の戦力にできれば、選手層も厚くなるはずだ。
ただ、鈴木の定位置であるシャドーや2列目は非常に人材が多いポジション。彼が移籍するであろうフライブルクで今季10ゴール・7アシストという目覚ましい成果を残した堂安律でさえ、右ウイングバックで使われているほどだ。そんな状況だけに、強烈なインパクトを残さない限り、生き残れない。
第2次森保ジャパンが発足した23年3月からの1年3か月で8ゴールという驚異的な数字を残した中村敬斗(S・ランス)のように、まずは得点で爪痕を残したいところ。次のチャンスをモノにできるか否かで、W杯行きの可能性が大きく変わってきそうだ。
貪欲な坂本一彩が加われば、FW陣が危機感を覚える
そして3人目は今年1月にベルギーに移籍したばかりの坂本一彩(ウェステルロー)。彼はパリ五輪には参戦していないが、高井幸大(川崎フロンターレ)らとともに23年のU-20W杯に出場。その後、ガンバ大阪からレンタル移籍したファジアーノ岡山で実績を積み上げ、昨季のG大阪で2桁得点達成という大ブレイクを果たした。
その勢いでベルギーにチャレンジし、18試合で6ゴールという凄まじい数字を残すことに成功し、代表に選出されるだけのポテンシャルを実証した格好だ。173センチと高さこそないが、多彩なパターンからゴールを狙えるところは、まさに生粋の点取屋だ。
貪欲でアグレッシブさも備えた選手が代表のFW陣に加わることで、当確と言われる上田綺世(フェイエノールト)や小川航基(NEC)も危機感を覚えるだろうし、サバイバルも活発化するはず。ぜひ選出を本気で検討してほしい。
この3人のように2000年代生まれではないが、今季ブンデスで11ゴールをマークしながら、チームが1年での2部降格を余儀なくされてしまった町野修斗(ホルシュタイン・キール)も本気で使ってほしい選手。森保監督の中では「2023年の新チーム立ち上げの時にトライしたが、思うような働きができなかった」という評価になっているのだろうが、ここ最近のクラブでの一挙手一投足を見ていると、やはり代表の戦力にしないのはもったいない。
キールの降格が決まった5月10日のフライブルク戦でも町野のドリブル突破からのスルーパスによって先制点が生まれているし、自陣ゴール前でのスーパークリアも見せていた。FKも蹴れるし、ロングスローも投げられるという万能型はW杯の26人という限られた登録枠を考えるといてほしい人材ではある。
本人も3月シリーズで2年ぶりに代表復帰した際、「ここからが本当の勝負」と目の色を変えていただけに、その一発目となる6月シリーズには燃えるものがあるはず。来季の去就が未知数というマイナス要素もあるが、今後に弾みをつける意味でもこの6月シリーズは重要な機会になる。森保監督にはこの機会に本格的な起用を強く求めたい。



