【直近4戦未勝利で14位に後退。ガンバ大阪はなぜ苦しんでいるのか?(2)】直近4試合のうち3試合がノーゴール。新戦力・満田誠も「1点以上取らないと勝てない」と危機感。攻撃のテコ入れ策は?
2025年J1・第9節を終了して、3勝1分5敗の勝ち点10で暫定14位という厳しい状況に直面しているガンバ大阪。ここまで15失点という数字が一番気掛かりな点ではあるが、総得点9というのも、上位陣に比べると決して多いとは言い切れない。
■【画像】「めちゃくちゃ小顔で可愛いかったー」森保ジャパンの試合を現地観戦した「人気女子アナ×人気芸人×人気芸人」豪華観戦3ショット■
横浜F・マリノス、アルビレックス新潟、町田ゼルビア、柏レイソルとの直近4戦を見ても、ゴールを奪ったのは、3-3のドローに終わった新潟戦だけ。それ以外は無得点で敗れている。そこはやはり問題視しなければならない点だろう。
「守備する時間が長かった分、それで体力を削られてしまって、攻撃の時にパワーを出せない状況があったんで、守備に行けるところ行けないところを分けながら、もっと賢く守れればよかったのかなと思いました」と柏戦後に満田誠が話していたが、前線の守備負担が大きすぎるあまり、攻撃陣が息切れになってしまうところは確かにある。やはり全体にもっと押し上げて、主導権を握っていく形を増やすことが、ゴールチャンスを多くするカギになってきそうだ。
そのうえで、得点源を増やさなければいけない。目下、チーム得点王は3ゴールのイッサム・ジェバリ。昨季2点にとどまっていた助っ人FWが好調なのは朗報だ。それに続くのが2得点の倉田秋で、宇佐美貴史、ネタ・ラヴィ、黒川圭介、山下諒也が1点ずつとなっている。
■アタッカー陣をどう並べていくのか
やはり昨季12ゴールの宇佐美がここまで1点というのは物足りない。今季は3月に入って2試合を欠場。最近はベンチスタートが増えているが、もう少しコンディションを引き上げ、決定力を高めていくしかない。本人も現状に納得していないのか、柏戦後もメディアの呼びかけに答えることなく去っていった。昨季はどういう時も取材に応じていただけに、うまくいっていないことを感じているのだろう。もともと得点力が高いとは言えないガンバにしてみれば、エースの爆発がなければ、浮上も見えてこない。背番号7の覚醒が待たれるところだ。
期待の新戦力FWデニス・ヒュメットもまだフィットしていない印象だ。柏戦はイッサム・ジェバリと2トップでスタートしたが、2人がいい距離感でプレーできない状況も散見され、シュートはゼロに終わった。満田も2人とファン・アラーノのつなぎ役として奔走するばかりで、彼自身もフィニッシュに行くチャンスが少なくなっていた。
そういった悪循環を解消するためにも、ダニエル・ポヤトス監督がアタッカー陣をどう並べていくのかベストなのかをいち早く見出す必要がある。今は並びや組み合わせが頻繁に変わっていて、選手たちも連携面を成熟させることが難しいはずだ。
「選手によって特徴だったり攻撃も守備も戦術が変わったりするので、難しさはありますけど、試合の中でエラーが起きたところを少しでも修正していければいいと思います。自分も結果を残せていないし、ゴールにこだわってやっていきたいですね」と満田も強調していたが、それぞれのストロングを引き出し合えるような形に持っていくことが重要。
■「出てる選手のやりたいことを統一すること」
そのためにも、今一度、チームとしての戦い方を擦り合わせていくべき。それも満田が話していたことだ。
「今、一番大事なのは、出てる選手のやりたいことを統一すること。プレスの部分でも前は行きたいけど後ろがいけないとか、後ろは行きたいけど前はいけないとか、そういうところの統一が足りてないと感じる。結果的に相手に陣形を広げられて、失点につながってしまっているのかなと思います。
僕ら攻撃陣もゼロで終わっていますし、そういうところはまだまだ足りない。1点以上取らないと勝てないので、攻撃陣がしっかり点を取って、全員で守って勝てればいいと思います」
そういった前向きな機運を生み出すためにも、宇佐美、中谷進之介という攻守両面のリーダーにはこれまで以上に力強くチーム全体を統率してほしい。そして満田のような新戦力も自ら発信していくことが肝要だ。強いガンバを取り戻すためにも、1人1人が意見を言い、最適解を見出していくこと。それが重要ではないだろうか。 (取材・文/元川悦子)



