<football life>なぜ開幕戦が大阪ダービーに? 今年の特殊事情も サッカーJ1
サッカーのJ1は14日、大半が15日に試合のある他クラブに先駆けて、ガンバ大阪―セレッソ大阪(パナソニックスタジアム吹田)の「大阪ダービー」が開幕節の目玉カードとして組まれた。いきなりのビッグマッチに「もう少し後で見たかった」などの声もある中で開催に至ったのには、今年ならではの特殊な事情がある。
「正直あまり答えたくないですけど……。第1節にダービーは、リスペクトしますけど、なかなか言葉で表せないです」
開幕前日の13日、就任3年目のガ大阪のダニエル・ポヤトス監督はマッチメークについて問われ、苦笑いで首を振った。
セ大阪のアーサー・パパス監督は過去に横浜F・マリノスでコーチを務めた経験があるが、昨年12月に就任したばかりでJ1では初指揮。ガ大阪の選手からも「情報が全然ない」との声があり、対策を進めてから対戦したいのが本音だろう。
Jリーグとしては苦しい思いだ。「秋春制」を採用するアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)は昨年9月に開幕し、12月からの中断期間を挟んで既に再開している。
11日にリーグ3連覇を目指すヴィッセル神戸と川崎フロンターレ、12日に横浜マとサンフレッチェ広島の試合があり、近年のJ1で結果を残してきたこれらのクラブは少しでも試合間隔を空けるため、J1開幕日の14日からは外す必要があった。
そこで選ばれたのが大阪ダービー。しかも、セ大阪のホーム・ヨドコウ桜スタジアムは改装工事中で、必然的にパナスタでの開催が決まった。
ガ大阪側とすれば、集客が見込める大阪ダービーを開幕に持ってくることにうまみが少ないが、リーグ側の打診を受け入れた経緯があった。
開幕戦のチケットは一般販売開始から2時間以内に完売し、注目度の高さを見せつけた。Jリーグは26年に「秋春制」に移行するため、現行の形式は最後。日本有数の熱いダービーからリーグを盛り上げる。【生野貴紀】