海外監督が絶賛、日本人28歳は「J唯一無二のCB」 加入後”即”活躍も…漏れた唯一の後悔

天皇杯決勝でG大阪が神戸に0-1敗戦、中谷が悔やんだ自らのワンプレー

J1ガンバ大阪は11月23日、クラブ史上10個目のタイトル獲得を懸け、ヴィッセル神戸との天皇杯決勝に臨んだ。2日前の練習で元日本代表FW宇佐美貴史が右ハムストリングスの肉離れとなり、攻撃の核を欠いたG大阪は、FW宮代大聖に決勝点を決められ0-1で敗れ、2015年以来のタイトル獲得を逃している。

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今シーズン、ガンバ大阪の攻撃陣を引っ張ったのが宇佐美であれば、リーグ最少2位の33失点(36試合消化時点)の守備を支えているのは、今シーズン新加入の28歳DF中谷進之介だろう。天皇杯決勝では途中からキャプテンマークも巻いた中谷について、ダニエル・ポヤトス監督も「このチームにとって重要な選手であり、今日も含めチームのメンタルの安定性を変えた選手。今日もしっかりその良さ、試合を読んでくれたし、相手の先を読んでくれた。そんなに足は速くないが、先を読めるのが素晴らしい。Jリーグでも唯一無二のCB(センターバック)だと思うし、このスタイルにぴったり合った選手だと思う」と、絶賛する。

実際、この試合でも元日本代表FW大迫勇也を中心とする神戸の攻撃陣を、ほとんど完璧に抑え込んだが、後半19分のワンプレーに泣くことになった。GK前川黛也からのロングボールがFW佐々木大樹に入ると、そのこぼれ球から大迫にスルーパスを出され、FW武藤嘉紀に守備を破られた。武藤のシュートはゴール前でブロックしたが、こぼれ球を宮代に押し込まれた。

ほとんどの時間、狙いどおりに試合を運べていたG大阪だったが1点が遠かった。中谷は「逆に言えば、それが神戸の狙いだったと思う」とワンチャンスを生かしてきた相手の術中にハマったと振り返り、「良い展開の中で点を取れないと、勝負強さを持っている相手なので、それにやられた印象です。前半なんかは手応えを感じていましたし、この流れでと思ってやっていましたけど、本当に負けたら何も残らないということを改めて痛感しました」と唇をかんだ。

この試合、唯一のゴールシーンで、中谷は佐々木に対応していた。神戸の得意とするロングボールでの攻撃を受ける形になったが、「佐々木大樹選手が、僕のことを見ながら身体を当てにくるのは分かっていたので、ちょっとよけながらボールに触ろうと思っていました。そのボールが、思ったより前にこぼれてというところで……。もう少しいい対応ができたと思います」と、中谷は悔しがった。

リーグ戦でも上位争いを繰り広げ、この天皇杯でもファイナリストになったチームにおいて、中谷の貢献度は高い。しかし、中谷は「今は負けた直後なので、なんとも言えないです。今日に関しては僕のところで守れたとも思えるので。ちゃんと向き合うしかないですし、現実を見てしっかり次につなげたい」と、敗戦の責任を背負った。

今シーズン、G大阪の残り試合はリーグ戦2試合となった。現在3位のFC町田ゼルビアとの勝ち点差が「3」、5位の鹿島アントラーズとの勝ち点差が「1」のG大阪にとっては、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の出場権を得るためには、勝利を重ねるしかない。

「天皇杯がなくなったので、もうリーグでACL(の出場権)を取りにいかないといけない。実際に目標として残っているのは、そこだけしかない。今日の負けは大きいですし、それを残り2試合で取り返すことはできませんが、せめてACLを取って次につなげられたらと思います」と、中谷は前を向いた。

右ハムストリングスの肉離れを起こした宇佐美の残り試合欠場が確実視されるなか、加入1年目の中谷を中心に奮闘してきた守備陣の踏ん張りが、目標達成には不可欠だ。

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