「貴史君にカップを…」ガンバ副将、中谷進之介が果たせなかった想い。欠場のキャプテンは涙。天皇杯を制した神戸との差は?

「とにかく申し訳ない」

[天皇杯決勝]G大阪 0-1 神戸/11月23日/国立競技場

ガンバ大阪は11月23日、天皇杯の決勝で同じ関西勢のヴィッセル神戸と対戦。64分に宮代大聖にゴールを奪われ、0-1で敗れた。

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前半はやや押し気味に進めてチャンスを作るも、仕留め切れず。スコアレスで折り返すと、後半の中盤にGK前川黛也のロングパスから自陣ゴール前でパスを繋がれ、失点。その後、必死に反撃を続けたが、結局最後までネットを揺らせなかった。

この一戦で大黒柱の宇佐美貴史は欠場。不振を乗り越え、J1で6位タイの12ゴールをマークしている32歳は、21日の練習中に右ハムストリング肉離れを起こしてしまったのだ。

キャプテンの分まで――。強い想いを背負って臨んだが、結果は準優勝。代わりにキャプテンマークを巻き、CBでフル出場した中谷進之介は、無念さを滲ませた。

「チームを引っ張るのは僕の役目だと思っていたし、試合に出られない選手がいるなかで、その選手のためと気持ちはみんな持っていました。それは現われたけど、結果には出なかったです」

ピッチに立てなかった宇佐美は試合後、涙を流した。今季に名古屋グランパスから加入した28歳の副キャプテンは、「とにかく申し訳ない」と反省の言葉を続ける。

「今日僕は貴史君にカップを掲げてもらうためにというか、彼が去年苦しんできた分、報われる時間を作りたいなと思ってやったけど、力不足。それがさせてあげられなくて申し訳ないなって気持ちです」

シュート数は6対6、ボール支配率も自分たちが51%と、データを見ても関西ダービーは互角の戦いだった。勝負を分けたのは、枠内シュート1本で得点した神戸との決定力の差だ。

「完全にあのシーンだけだったと思います。スタッツを見たけど、そこまでシュートを打たれていなかった。ただ、それを沈めるのは神戸で、僕らは前半良い流れの中で、仕留め切れませんでした」

あと一歩でタイトルを逃したものの、ダニエル・ポヤトス監督が率いて2年目の今季は、天皇杯で決勝進出に加え、J1でも4位と好調をキープ。下位に沈んだ昨季から確実に進化している。この先、大一番で突き付けられた課題を改善し、足りなかった一歩分、さらに前に進めるか。

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