【ガンバ大阪】歴史を変える大一番。10個目のタイトルを国立競技場で掴み取る
「ガンバをいるべき場所に戻す」。ポヤトス監督とともに強いガンバの復権に向けて歩みを進めて来たガンバが、最後のハードルの前に立っている。
パナソニックスタジアム吹田で行われた横浜F・マリノスとの準決勝では延長戦終了間際に坂本が劇的な決勝点。文字通りの死闘を制して、4シーズンぶりの決勝に駒を進めたガンバにとって、8回目となる今回の天皇杯決勝は、常勝軍団としての立ち位置を取り戻す歴史的な大一番になる。
「準備もしっかりとしてきたし、全員がワクワクした気持ちでいる。クラブに新たな歴史を全員で刻みたい。タイトルを必ずここに持って帰って来る」。
ガンバの新たなスタイルを作り上げ、チームを決勝の舞台に導いたポヤトス監督の言葉はガンバに携わる全ての人々の思いでもある。
決勝戦でガンバが見せるのは「ダニ」の愛称で慕われるスペイン人指揮官とともに作り上げて来た2シーズンの総決算。今季、ガンバの堅守に貢献している中谷もキッパリと言い切った。「リーグ戦で2試合戦ったけど、十分にやりあえる」。
ボールを有効に動かしながらも、縦への速さを持つ今季のガンバに対して、昨季のリーグ王者でもある神戸はシンプルだが、攻守の切り替えの速さと強度を前面に押し出して来る相手。対照的なスタイルのぶつかり合いになるが、ポヤトス監督は「我々が今まで積み重ねて来たガンバのことだけに集中して準備して来た」と積み上げて来たスタイルで真っ向勝負を挑むつもりだ。
ボールハントに長ける神戸に対して、臆することなくボールを動かし、スペースを有効活用するのが今のガンバの真骨頂。天皇杯では日替わりのようにヒーローが生まれ、全員の力で決勝への切符を掴み取ってきた。キャプテンの宇佐美は「チームを引っ張ること」。決勝における自らの役割を一言で言い切った背番号7だが、独特のテンションに包まれる決勝の大舞台を何度も踏んできた経験値をキャプテンとして国立競技場で示すつもりでいる。
一方の神戸も2度目の天皇杯優勝に向けてモチベーション高く挑んでくるはずだ。5シーズンぶりの決勝となる神戸は準決勝で京都を2-1で下し、勝負強く勝ち上がって来た。リーグ戦でも首位を保っているが、ガンバが警戒すべきはやはりその前線のアタッカー陣である。大迫、武藤、宮代の3人はいずれも二桁得点をマークしているが、やはり最も警戒すべきはリーグ戦で11得点、8アシストの大迫だ。大迫封じを託される中谷は言う。「大迫選手と武藤選手をどう抑えるか。僕ら守備陣の力が試される」。
ベンチワークやサブメンバーを含めて、ガンバの総力を尽くして戦う歴史的ビッグマッチ。宇佐美は誓った。「10個目に相応しい全員で取ったタイトルになるので是非、チームの全員で取りたい」。
11月23日の国立競技場で、ガンバはサポーターとともに新たな歴史を刻む。