【ガンバ大阪】シーズン終盤に向けての分岐点。ガンバの地力と思いの全てを大阪ダービーにぶつける
シーズン終盤を前に、悔しい足踏みが続くガンバ。8試合ぶりの勝利を目前にしながらも、東京V戦は後半のアディショナルタイムに痛恨の同点ゴールを献上し、勝ち切る流れを取り戻しきれなかった。
東京Vの堅守をこじ開けたダワンのゴールを絶妙のパスでお膳立てした宇佐美は「勝ちたいという欲求とか気持ちは選手の誰もが持っているし、苦しさやストレスも抱えている」とガンバの誰もが感じるもどかしさを口にするが、だからこそ、停滞した流れを一変させる力を持つ大阪ダービーへの決意をこう、固める。
「どんな状況でも、ダービーは何かを劇的に変えたり、劇薬になりうるものだと思う」(宇佐美)。
台風10号の影響で延期になっていた今回のダービーはシーズン終盤の巻き返しに向けて、分岐点となりうる重要な一戦だ。
毎試合、対戦相手に応じて綿密なスカウティングを施し、チーム戦術を落とし込んでいるポヤトス監督だが、ダービーは両チームの立ち位置やチーム状況が参考にならない特別な一戦になることを知り尽くしている。
「気持ちを思い切り出しきって戦う姿勢や、誰かのために戦うという迸るような闘志を漲らせることが大事。この相手に勝ちたいという負けず嫌いな気持ちを思い切り出して欲しい」(ポヤトス監督)。
6シーズンぶりのシーズンダブルもかかる今回のダービーだが、ピッチ内でのポイントは相手の出方に応じた戦い方を見せることである。今季は4バックをベースにボール保持を重視してきた相手ではあるが、直近の10試合は1勝4分5敗。それだけに前節の柏戦は3バックを採用し、守備にテコ入れした戦いを見せている。
「相手の最終ラインが5枚だろうと4枚だろうとしっかりと準備しているし、問題もない」とポヤトス監督は万全の対策を講じて必勝を誓うが、東京Vの堅守をこじ開けることに苦戦した戦いは、間違いなく教訓になるはずだ。
かつての古巣に乗り込む鈴木も力を込める。「東京V戦で5バックの相手と戦っているし、今回相手が5バックで来たとしても、攻め方は皆で共有できているのでそれを出していきたい」。
一方でやはり、勝利の鍵を握るのはアカデミー時代から青黒の誇りをダービーで体現してきた宇佐美である。「どんな状況でも勝たないといけない相手だし、それは僕たち全員が理解している。当然、ゴールは狙っていきたいし、自分が点を取れれば、チームはすごく勢いが付く」。
ホームで行われたダービーでは自身のバースデーゴールでガンバを勝利に導いた宇佐美だが、持てる力の全てを出して相手ゴールに迫る姿を見せてくれるはずだ。
現在9位の相手でやはりガンバが警戒すべきは20得点で得点ランクのトップを走るレオ セアラだ。ワンチャンスを決め切る力を持つレオ セアラ封じはマストのミッションだが、アカデミー育ちの北野も台頭中で、当然警戒が必要になる。
内容が伴うにこしたことはないが、勝利だけが求められる大一番に向けて鈴木は「選手全員で打開したいし、泥臭く勝つだけです」と言い切った。
敵地を静まり返らせ、サポーターと共に歓喜の雄叫びを上げるのはガンバだ。