ミスの守護神が感じた“分岐点”「自信を持って立ち続けた」 2度の取り消しも出し切った迫力

1点リードも前半22分には自陣でミスが起こってしまった

ガンバ大阪は9月22日、J1リーグ第31節で京都サンガF.C.と対戦し、2-2で引き分けた。先制するも、前半22分にはGK一森純のミスから失点。だが、チームは一時勝ち越しを許しても終盤に追い付いて意地のドローに持ち込んだ。一森にとっては悔しい失点となったが、同時に今後の“分岐点”ともなる一戦になった。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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1点リードする前半22分、まさかの事態が待ち受けていた。ボールを持った一森はビルドアップから痛恨のパスミス。これを相手にかっさらわれ、シュートを浴びる。DF中谷進之介がラインぎりぎりでかき出したが、こぼれ球に詰めていたのが好調のFWラファエル・エリアスだった。

「自分の中でガンバに来て新しいトライをするなかですごく充実感も感じているし、こういうミスが起こってしまったけど、普段のトレーニングで自分自身手を抜くことは一切やってこなかった。ミスが起こってもあの時集中していなかったというのは一切なくて、だからこそ自信を持ってピッチに立ち続けたし、後半そんなにビビったようには見えなかったと思う」

その後、後半に勝ち越し点を許したが、チームには逆にスイッチが入った。後半42分には中谷の今季3ゴール目で追い付いた。その後同44分に再び中谷が勝ち越しゴールを決めるもVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入により主審のオン・フィールド・レビュー(OFR)後に取り消し。後半アディショナルタイムには1度は相手にハンドがあったとしてPKの判定が下されるも、これがOFRで覆されると言う2回連続の“幻”があった。結果的には勝ち点1だったが、ピッチから伝わって来たのはG大阪の選手たちが押し出した気持ち、気迫、執念。一森も仲間の頼もしさを感じていた。

「今までのサッカー人生で1回ミスが起こった時に試合通して、シーズン通して崩れちゃうというのはあると思うんですけど、あの試合の中でみんなにも助けてもらいながら、みんなに声かけてもらいながら、しっかりと後半はプレーできたというのは、今年頑張って成長できたところかなと感じました」

ミスが消えることはない。だが、取り返すことはできる。1人の力だけでなく、全員の力で。中谷が「納得できるかと言われると納得できない」と話した通り、2度のVARによる取り消しなどで、勝ち点1に終わったことは悔しい結果。それでも、得たものはある。7戦勝ちなしとまだ苦境を脱したとは言えないが、G大阪は確実に前を向いて歩んでいる。

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