このままではマズイ…。Jリーグで伸び悩む日本の超逸材(3)若手最強のSBだったが…。突如出られなくなった「未完の大器」

今季の明治安田Jリーグも後半戦を迎え、熾烈な優勝争い、そして残留争いが展開されている。ベテランから若手までさまざまな選手が印象的な活躍を残している一方、大きな期待を受けていたものの目立った活躍を残せずにいる選手も存在する。今回は、その才能に疑いはないが伸び悩んでいるように見える若き逸材を紹介する。※スタッツはデータサイト『transfermarkt』参照。情報は8月23日時点。

DF:中野伸哉(なかの・しんや)

生年月日:2003年8月17日

所属クラブ:ガンバ大阪

今季リーグ戦成績:11試合0ゴール0アシスト

サガン鳥栖で輝きを放った若きサイドバックは、ここのところ伸び悩んでいる感じが否めない。

現在21歳の中野は鳥栖のアカデミー出身の選手だ。世代別日本代表に何度も招集されてきた同選手は2020年にトップチームへ2種登録されると、第8節FC東京戦においてクラブ史上最年少となる16歳11か月でJリーグデビュー。シーズン後半には定位置を確保し、最終的にルーキーイヤーでは公式戦15試合に出場した。

2021シーズンはさらに飛躍を遂げた1年となった。センターバック、サイドバック(SB)と複数のポジションでリーグ戦34試合に出場し、2アシストを記録。左右両足を使って精度の高いパスを供給することができることに加え、鋭い読みと豊富な運動量で相手FWに自由を与えない。世代を代表する左SBとして注目を集め、パリオリンピックの主力を担う存在として期待されていた。

しかし、2022シーズンに川井健太監督が就任すると、中野は徐々に序列を低下させていくことに。昨季はほぼ試合に絡めなくなり、こうした状況を受けて夏にガンバ大阪でプレーすることを決断した。が、ここでも定位置を確保しているとは言い難い状況に陥り、今季は公式戦13試合の出場に留まっている。リーグ戦ではそのほとんどが試合終盤の投入で、「未完の大器」がもどかしい時間を過ごしていることは言うまでもない。

所属クラブで十分な出場時間を得ることが出来ていないからか、中野は2023年9月を最後に世代別日本代表に招集されず。結局、パリの地で日の丸をつけて戦うことは叶わなかった。

苦しい時期を過ごす青黒の背番号33だが、彼にはまだ十分すぎるほど時間が残されている。先月には、FW坂本一彩とともにオランダの名門アヤックスのトレーニングに参加。欧州トップクラブで過ごした9日間で経験したものを自身のプレーに反映させることはできるだろうか。中野の今後のパフォーマンスに注目だ。

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