【U-22日本代表】12月18日に五輪アジア最終予選メンバーを発表! 手倉森監督の構想にある23人は? SOCCER DIGEST Web 12月16日(水)6時10分配信

【FW】2列目での起用が見込まれる選手も多く、5~6名の選出になる可能性も。

 U-22イエメン戦、U-22ウズベキスタン戦を終え、あとは12月18日のアジア最終予選メンバー発表を待つばかりとなったU-22日本代表。「この 26人がコアメンバー」と手倉森誠監督も明言しているだけに、カタール・UAE遠征に参加した26人をベースに、海外組である久保裕也と南野拓実、クラブ ワールドカップに出場しているサンフレッチェ広島の浅野拓磨を加えたなかから23人に絞り込まれるのが既定路線と言えるだろう。

最終選考の場として位置づけられた2試合を経てポジション内のバランスは、どう変わったのか。指揮官が常々、ひとり2ポジションをこなすことの重要性を 説いていること、FWのポジション争いが激化していることを考えると、1ポジション2選手という従来の選考基準は当てはまらないかもしれない。

以下、エリアごとにU-22日本代表のポジション内序列を見ていきたい。

■FW■
候補メンバー)順番は生年月日順
荒野拓馬(札幌) ※2列目
久保裕也(ヤングボーイズ/スイス) ※2列目
鈴木武蔵(水戸)
浅野拓磨(広島) ※2列目
金森健志(福岡) ※2列目
オナイウ阿道(千葉)
鎌田大地(鳥栖) ※2列目、ボランチ
※は複数ポジションをこなす選手

1トップなのか、2トップなのかという点はあるにせよ、現在最も多くの選手が試され、熾烈な争いが繰り広げられているのが、このポジションだ。カター ル・UAE遠征においてもU-22イエメン戦では荒野拓馬と鎌田大地がスタメンの2トップに起用され、後半はオナイウ阿道と金森健志が2トップを務めた。

U-22ウズベキスタン戦では「身体能力の高い選手を並べたらどうなるか」という狙いで鈴木武蔵とオナイウ阿道のコンビが初めて先発し、ウズベキスタンを押し込むことに成功した。

ただし、「熾烈な争いが繰り広げられている」と言えば聞こえはいいが、その実、どの選手も決め手に欠け、絶対的なレギュラーになれていないのが現状だ。 FWだけのせいではないが、今遠征では2試合ともスコアレスドローを演じ、8月以降の練習試合でも、10月の鳥栖戦を除き、無得点、もしくは1得点のゲー ムが続く。

そこで待ち遠しいのが、スイス・ヤングボーイズの久保裕也とサンフレッチェ広島の浅野拓磨の合流だ。クラブと交渉中のため、まだ参戦が確定したわけでは ないが、久保を軸にし、対戦相手やチーム戦術によってパートナーを選び、サンフレッチェ広島での起用法と同じく浅野をスーパーサブとして起用するのが現実 的か。

荒野や鎌田、浅野や久保は2列目での起用も見込まれるため、2トップ×2枚の4枠に対し、5~6人が選出される可能性が高い。

【MF】中東勢との対戦を考えれば井手口のボール奪取力は魅力。ドリブラー枠は誰に?

■MF■
候補メンバー)順番は生年月日順
【ボランチ】
遠藤 航(湘南) ※CB、右SB
大島僚太(川崎)
原川 力(京都)
井手口陽介(G大阪)
秋野央樹(柏) ※CB、左SB

【2列目】
中島翔哉(FC東京)
矢島慎也(岡山) ※ボランチ
関根貴大(浦和)
前田直輝(松本)
南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)
※は複数のポジションをこなす選手

遠藤航と大島僚太、チーム最年長のふたりが組むダブルボランチは紛れもなくこのチームの心臓だ。攻撃のアイデアを担ってきた大島も、ここにきて一層球際での厳しさや迫力を出し、守備面での貢献も高まっている。

ここまで三番手を担ってきた原川力はプレーメーカータイプでプレースキッカーでもあるが、U-22ウズベキスタン戦で出番がなかったのが気になるところ。

一方、中東勢との対戦を考えると、井手口陽介のボール奪取力と推進力は魅力的で、ここにきて存在感を高めている。また、左利きでアンカータイプの秋野は、すでに触れてきたようにSBやCBもこなせるため、存在価値は大きい。

2列目に関してはU-22ウズベキスタン戦で先発出場した中島翔哉と矢島慎也が一歩リードしている。ふたりはともにチーム結成時からコンスタントに選出され続け、手倉森監督からの信頼も厚い。中島はこのチームの最多得点者。

一方、矢島はサイドハーフのみならず、ボランチやインサイドハーフをこなせるユーティリティ性やプレースキッカーとして貴重な存在だ。10月の佐賀合宿 で指揮官のハートを掴んだ関根貴大、7月のコスタリカ戦以降、コンスタントに招集されてきたレフティの前田直輝は、今合宿では思うようなアピールができな かった。

ただし、相手を剥がせるドリブラーの存在は貴重で、ひとりはメンバーとして選んでおきたい。また、このポジションにはザルツブルクの南野拓実の参戦が予定されている。

【DF】CBの岩波、植田は不動の存在もユーティリティープレーヤーの存在が鍵になる。

■DF■
候補メンバー)順番は生年月日順
【CB】
西野貴治(G大阪)
奈良竜樹(FC東京)
岩波拓也(神戸)
植田直通(鹿島)
中谷進之介(柏) ※両SB

【右SB】
松原 健(新潟)
室屋 成(明治大)

【左SB】
山中亮輔(柏)
亀川諒史(福岡) ※右SB
※は複数ポジションをこなす選手

CBでは岩波拓也と植田直通が不動のコンビとして存在しているが、そこに割って入る勢いで迫っているのが奈良竜樹だ。植田が招集されなかった10月の鳥栖との練習試合では岩波とコンビを組み、CKから2ゴール。得点源としての存在感も示した。

もっとも、指揮官が「選手を絞って起用する」と宣言したU-22ウズベキスタン戦では岩波と植田がフル出場しており、彼らがレギュラーなのは確かだろう。

4人目の座を争うのは、西野貴治と中谷進之介だ。西野はCBのスペシャリスト。一方、中谷は本職のCBではなく左右のSBで起用されるなど、ユーティリ ティ性が試されている。このポジションは、ボランチの遠藤航や秋野央樹もこなせるため、CBを3人にして、他のポジションを1枠増やすという選択も考えら れる。

SBは右が松原健と、唯一の大学生である室屋成。左が亀川諒史と左のスペシャリストである山中亮輔という顔ぶれ。

なかでもプライオリティが高いのは亀川だろう。左右両サイドをこなせる上に、期限付き移籍した福岡で出場経験を大幅に増やし、自信を付けた。

不安材料を挙げるとするなら、半月板損傷のケガから復帰したばかりの松原か。11月の神奈川合宿に招集され、今遠征でもU-22イエメン戦で15分、 U-22ウズベキスタン戦で45分間プレーした事実が指揮官の期待の大きさを表わしており、本人も「順調に回復している」と言う。ただ、もし回復具合が遅 れるようなら、イエメン戦でSBとして試されたボランチの秋野や本来はCBの中谷が選出されるかもしれない。

【GK】守護神として君臨してきた櫛引に、福岡で出場機会を掴んだ中村が猛追。

■GK■
候補メンバー)順番は生年月日順
櫛引政敏(清水)
杉本大地(京都)
中村航輔(福岡)

最も無風地帯と思われていたGKの序列がここにきて、にわかに変化している。このポジションの第一人者として存在してきたのは、櫛引政敏だった。

12年のU-19アジア選手権では正GKとして日本のゴールマウスに立ち、清水では当時20歳のプロ3年目、13シーズン途中に正GKの座を掴んでお り、代表チームが結成された14年1月のU-22アジア選手権の時点ですでにJ1での試合経験を重ねていた。そのため、長らく不動の存在として君臨してき たが、15シーズンに入って清水での定位置を失ってしまう。

すると、入れ替わるようにして中村航輔が期限付き移籍したアビスパ福岡で正GKの座を掴む。中村もまた14年のU-19アジア選手権に日本の守護神として出場し、国際経験を積んでいる。現在の試合勘においては中村に軍配が上がる。

ただし、ディフェンスラインとの連係面では櫛引に一日の長がある。今遠征では櫛引がU-22イエメン戦で先発し、中村がU-22ウズベキスタン戦で先発 した。もっとも、U-22ウズベキスタン戦では59分から櫛引が途中出場しているため、櫛引が依然として正GKの一番手だろう。

また、今遠征には杉本大地も参加しているが、Jリーグでの試合経験、国際舞台での経験において櫛引、中村の後塵を拝するため、第3GKということになりそうだ。

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