「めちゃくちゃ意識しています」ガンバGK一森純の日本代表入りを目ざす理由がとにかく熱い!「ちょうどいい」大阪愛も炸裂
ユース時代を過ごしたセレッソへの感謝は不変
JFLからJ3、J2、J1とステップアップし、現在はガンバ大阪のゴールを守る、一森純に迫る特別インタビュー。全3回の前編では、故郷と古巣について存分に語ってくれた。
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7月2日に33歳の誕生日を迎えた一森はかつて、大阪は大阪でもセレッソ大阪のユースでプレー。しかし、トップチーム昇格を果たせず、関西学院大への進学を経て、2014年に当時JFLのレノファ山口に加入した。
そこで正GKとしてJ3、J2への昇格に貢献し、ファジアーノ岡山へ活躍の場を移した後、2020年にガンバ大阪の一員に。ただ、日本代表として8キャップを刻み、ロシア・ワールドカップのメンバーにも選出された東口順昭の壁に直面した。
出場機会確保に苦しむなか、2023年に横浜F・マリノスに期限付き移籍すると、常勝軍団でありながら、がっちりと定位置を確保。アジア・チャンピオンズリーグを含め、印象的な活躍を続け、一躍多くのサッカーファンに知られる存在となった。
迎えた今季、自信とJ1トップのセーブ率74.2%という勲章とともにレンタルバックし、怪我で出遅れた東口を差し置いて先発を張る一森は、まずユース時代を回想。今日では宿敵に立場を変えたとはいえ、セレッソへの感謝は不変だ。
「何もなかった自分に本当に自信をつけさせてもらったし、プロでやれると思わせてくれました。人間形成もそうですし、非常にお世話になり、感謝の気持ちが溢れているクラブです」
キャリア初期にプレーした2クラブも「家族同然」と譲らない。
「山口や岡山の地域の人たちに本当に支えられましたし、山口の時は生活の面倒まで見てもらっていたので。今でも帰ると、サポーターと選手という関係じゃなくて、実家に帰るみたいな関係性で、顔を出したりもしますし。今も結果とかを追いかけてくれているので、まだまだ頑張りたいなと思わせてくれますね」
そしてマリノスでも、わずか1年の在籍ではあったが、サポーターと強い絆を構築。4月の第3節で日産スタジアムに凱旋時、スタンドに挨拶に向かうと、気付けば涙が流れていた。
「マリノスのサポーターには感謝の気持ちしかないし、正直、心残りな部分も多いです。自分がもうちょっと頑張っていれば、一緒にチャンピオンになれたのにという思いや、来たての前半戦にすごい迷惑をかけたのに粘り強く応援してくれて、最後には『ずっといてくれよ』みたいな感じで、声を掛けてくれるようになって。そういうことを考えたら、本当に感謝の気持ちでいっぱいで、挨拶に行った時も温かい声ばっかりだったので、思いが溢れました」
「細かいんですけど、東京は駐車場代とかがめっちゃ高いんですよ」
では、学生時代を過ごし、現在再び拠点を構える大阪への想いはどうか。度々口にしたのは、愛に溢れた「ちょうどいい」だ。
「ちょうどいいです。安くて美味しいものがいっぱいあるし、田舎過ぎずに何でも手に入るし、少し足を運べば友達もたくさんいますし、最高ですね。
細かいんですけど、東京は駐車場代とかがめっちゃ高いんですよ。大阪はちょうどいいんですよね。規模感も本当にちょうどいいですね。周りには京都や兵庫、奈良、和歌山、滋賀があって、ちょっと足を運んだら田舎にも行けるし、自然に触れ合えるし、歴史を感じたりすることもできるし、温泉もありますし。大阪、いいっすね」
大阪をこよなく愛し、とにかく仲間想いの男、一森。日本代表入りを目ざす理由も非常に彼らしい。
「『日本代表への想いはないです』って言いそうなキャラだと思うんですけど、めちゃくちゃ意識しています。やっぱり子どもの頃から目ざしてきましたし、僕が日本代表になることによって、喜んでくれる人がたくさんいてくれるので。その人たちの喜ぶ顔が見たいし、国を背負うことがどういうことかも知りたいです。色んな意味を持っているのが代表だと思うので、やっぱりそこには行きたい思いが強いです」
抜群のシュートストップとビルドアップで声価を高める守護神は、ガンバにタイトルをもたらすと同時に、代表入りを果たし、日本中の家族を笑顔にできるか。