【Jリーグ】現役J1リーガー90人が選んだ”2015年のベストプレーヤー“は? SOCCER DIGEST Web 12月11日(金)21時0分配信

「今年の陽介は完璧だった」。元同僚を唸らせた浦和の司令塔が5位に!

 11年ぶりにチャンピオンシップが復活した今季のJ1で、特別な輝きを放ったのは――。ピッチ上でしのぎを削ったJリーガー90名の投票によって、 2015年のベストプレーヤーランキングを作成した。ここでは選出者の証言を交えながら、今季の顔とも言うべきトップ5を発表する!

◆選出概要◆
J1の各クラブから5人ずつ、合計90人にアンケートを実施。2015年のベストプレーヤーを自クラブ以外から3人挙げてもらい、ランキングを作成。ポイント換算の内訳は1位=5ポイント、2位=3ポイント、3位=1ポイント

――◆――◆――◆――

●5位/50ポイント
柏木陽介(浦和/MF)
生年月日(年齢):1987年12月15日(27歳)
今季成績:33試合・5得点・6アシスト

「縦パス、運動量、FKの質……。今年の陽介は完璧だった」(青山敏弘/広島)
5位に選ばれたのは、浦和の背番号8だ。シャドーからボランチにメインポジションを移し、精度の高い長短のキックを使い分けて攻撃を操り、クラブ史上2位となる計69得点の多くを演出した。

特に司令塔として、「周りがよく見えていて、最高のタイミングでパスを出せる」(米倉/G大阪)など”視野の広さ”を絶賛する声が多かった。

一方、名古屋の小川や広島の青山が称えたのが「運動量」。ハードワークを厭わず「守備も頑張っていた印象が強い」(大井/新潟)点も評価を高めた。

●4位/59ポイント
ドウグラス(広島/FW)
生年月日(年齢):1987年12月30日(27歳)
今季成績:33試合・21得点・3アシスト

「加入1年目でフィット。新たな得点パターンを生んだ」(豊田陽平/鳥栖)
加入1年目で広島のサッカーに適応しただけでなく、その前線に新たな側面をもたらしたブラジル人FWが堂々の4位。この“クラブ史上最高助っ人“を今季のMVPに推す声も少なくない。

「高さがあって足もとも収まる」(秋元/湘南)、「これまでの広島にはいなかったタイプのシャドー」(大谷/柏)は、「1年を通してコンスタントにゴール を奪い」(レオ・シルバ/新潟)、文字通り優勝の立役者となった。「スーパーなシュートが少なくなかった」(渡辺/山形)と、”印象点”もハイスコアだ。

クラブワールドカップで継続して活躍できれば、その評価はますます高まるだろう。

3位はG大阪のエース、2位は鹿島のアタッカー。果たして1位は…。

●3位/61ポイント
宇佐美貴史(G大阪/FW)
生年月日(年齢):1992年5月6日(23歳)
今季成績:34試合・19得点・7アシスト

「プレーの質が高く、試合を決められる力を持つ」(オビナ/松本)
日本代表のハリルホジッチ監督が寵愛するアタッカーの才能は、同じピッチに立つ選手たちも当然ながら認めている。聞こえてくるのは「日本人離れしたセンス」への評価だ。

「普通なら打たないタイミングで打つなど独特のリズムがある」(村山/松本)、「技術はもちろん発想が凄い」(杉山/清水)、「プレーのすべてが滑らか」(梅崎/浦和)。

仙台の金園が「サッカーの天才、日本のペレ」と絶賛する俊英の課題は、もはや持続力だけだろう。

●2位/78ポイント
金崎夢生(鹿島/MF)
生年月日(年齢):1989年2月16日(26歳)
今季成績:27試合・9得点・3アシスト

「勝負どころでの強引さやテクニックが素晴らしかった」(菊池大介/湘南)
アグレッシブな仕掛けで鹿島の攻撃を牽引したアタッカーは、Jリーグ復帰1年目で絶大なインパクトを残した。その存在感に「衝撃を受けた」(武藤/浦和)Jリーガーは少なくないようで、「今季一番の驚き」(佐藤/広島)を提供した選手と言ってもいいだろう。

複数の選出者から「嫌なことをしてくる」、「なんでもできる」と評されるような状況判断の良さも強み。また「身体を張って点を取りに来る」(秋元/湘南)だけでなく、「守備のスイッチを入れられる」(石井/山形)献身性も見逃せない。

●1位/94ポイント
大久保嘉人(川崎/FW)
生年月日(年齢):1982年6月9日(33歳)
今季成績:32試合・23得点・4アシスト

「ミドルも、こぼれ球も決める。これぞエースと思える選手」(武藤雄樹/浦和)
やはりというべきか。2015年のベストプレーヤーに選出されたのは、3年連続得点王の偉業を成し遂げたベテランストライカーだ。最多の14人が1位票 を投じており、「ボールの置き所が素晴らしい」(岩間/松本)、「ミドルもあれば、こぼれ球も決める」(武藤/浦和)、「シュートもトラップもすべてが上 手い」(高橋祥/神戸)など、とりわけFWとしての高度なスキルを称えるコメントが相次いだ。

川崎の攻撃的なサッカーとの相性が抜群で、周りに活かされている部分もあるとはいえ、個の能力でゴールをこじ開けるシーンは決して少なくなかった。

もはや「説明不要」(阿部/甲府)の得点力が、最多得票を集めた一番の理由だが、なによりも評価すべきは、マークが厳しくなるなか、プレッシャーなどどこ吹く風で三度の栄冠に輝いた点だろう。広島の佐藤はこう言う。

「大久保嘉人とはどういう選手か、誰もが知っているなかで結果を出し続けている」
30歳を過ぎて、心技体が充実一途の点取り屋ならば、“4年連続“も十分可能だ。

Share Button