U-16インターナショナルドリームカップが開幕。勝負へのこだわり、世界4強の基準求めるU-16日本代表がウクライナに6-0快勝

[6.19 U-16インターナショナルドリームカップ第1節 U-16日本代表 6-0 U-16ウクライナ代表 Jヴィレッジスタジアム]

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2008年生まれ世代のU-16日本代表が“4連覇”へ6-0発進――。19日、「U-16インターナショナルドリームカップ2024 JAPAN」が福島県のJヴィレッジで開幕。U-16日本代表は初戦でU-16ウクライナ代表と対戦し、6-0で快勝した。

U-16日本代表は2025年のU-17ワールドカップを目指す世代。今年10月には、アジア1次予選にあたるAFC U17アジアカップ予選(サウジアラビア)を控えている。今大会は、中1日の日程でウクライナ、ベネズエラ、セネガルと3試合。「(ホームの大会で)勝者のメンタリティを持てるような機会にして欲しい」(廣山望監督)という大会で内容、結果の両立を目指す。

その初戦で、日本はGK西川元基(柏U-18)、DF薄井翼(浦和ユース)、ゲーム主将の横井佑弥(G大阪ユース)、藤井翔大(横浜FMユース)、児玉一成(京都U-18)、MF小林志紋(広島ユース)、神田泰斗(大宮U18)、武本匠平(福岡U-18)、福岡勇和(鹿島ユース)、FW葛西夢吹(湘南U-18)、吉田湊海(鹿島ユース)の11人が先発。守備時は4バック、攻撃時には3バックへ可変する戦い方で臨んだ。

横井が「(19年大会を含めて)3大会連続日本が優勝してるのに、負けたら恥ずかしいっていうのもありますし、日本で(大会を)できていることを感謝しながら、他に負けないようにチーム全体で『絶対、勝つぞ』っていう感じで取り組みました」という日本は、立ち上がりから各選手がゴールへの強い姿勢を表現。開始直後に小林が右足を振り抜くと、6分には児玉のサイドチェンジから武本が仕掛け、こぼれ球を神田が右足で狙う。前半9分には、横井のロングフィードで左CKを獲得。小林のキックをニアの葛西が頭で逆サイドのネットへ流し込んだ。

幸先よくリードを奪った日本は、武本、福岡を軸にボールを支配し、大きな展開を含めて含めて素早くサイドへ。そして、両ワイドからの攻撃が優位性を生み出す。左の武本が対面のDFをドリブルで翻弄。また、右の薄井が縦突破からのクロスを連発し、吉田に合わせていた。前半22分には、武本の左クロスから小林が決定的なヘディングシュート。また、左クロスから吉田の放ったヘッドがポストを叩いた。

対するウクライナはGK、DFラインからのビルドアップを徹底。俊足MFアンドレイコ・イワン(ディナモ・キーウ)とテクニカルなMFクロイタル・オレクサンドル(ルフ・リビウ)にボールが入ると、攻撃がスピードアップしていた。だが、日本は薄井が強度の高い動きでボールを奪い返したほか、ミスから前進を許したシーンも藤井がストップ。攻撃が停滞した時間帯があったものの、切り替えの速い守りで相手が攻め切ることを許さない。

そして、小林と吉田の2人が前半だけで計10本のシュートを放つなど積極的なシュート。すると、前半ラストプレーで貴重な追加点を奪う。中央でボールを持った神田が福岡へ預けてPAへ飛び出す。ここに吉田からのラストパスが通り、神田が左足でゴールを破った。

日本は前半18本目のシュートで2点目を挙げた。一方、「後ろから繋ぐことで試合をコントロールしたり、リズムを作ったりしようとして、できたスペースのところを狙いに行ったんですけれども、フィジカルのところで難しくて、それが上手く行かなかったと思います」(モロズ・ユリー監督)というウクライナは、長距離移動などの影響によってコンディション面で苦戦。相手の攻撃を粘り強く凌いでいたものの、突き放される結果となった。

日本は後半開始から福岡をMF野口蓮斗(広島ユース)へ、21分には薄井、横井、武本、葛西に代えてDF山中優輝(横浜FMユース)、DF篠崎健人(市立船橋高)、MF土井口立(神戸U-18)、FW浅田大翔(横浜FMユース)をピッチへ送り出した。

小林がクロスバー直撃のロングシュートを放つなど後半も攻勢を続ける日本は24分、神田の右CKを吉田が頭でゴール。廣山監督が「目標として、ワールドカップのベスト4のチームが前々回、前回ともに2.5点近く 1試合平均で取っている」と説明するように、チームは世界相手の2試合で5得点を取るような得点力を求めている。特に「『個で取れるやつを増やしたい』っていう話はずっとしていますね」と指揮官。この日は、相手の足が止まった終盤も、交代出場の選手たちを中心に攻め続けて大量得点を挙げた。

27分に小林、吉田をMF西岡健斗(磐田U-18)、FW奥田悠真(川崎F U-18)へチェンジ。また38分、児玉とDF田中遥大(FC東京U-18)を交代すると、その直後に敵陣でインターセプトした奥田が右足でゴールを破った。43分には、野口のゴールエリアへの左CKを藤井が右足ダイレクトでゴール。さらに45分、左サイドからパスを繋ぎ、最後は浅田がマークを外してからの右足シュートで6点目をマークした。

日本はGK西川の守るゴールに1本のシュートも許さなかった。そして、ウクライナに計シュート38本を浴びせ、6得点。だが、廣山監督は「合格点ではない。まだまだ課題です」と指摘する。シュートを打てる場面で足を振れなかったほか、チャンスで枠へ飛ばせない、決定機で決め切れないというシーンもあったからだ。彼らは、3月末から行われた第51回モンテギュー国際大会(フランス)で1点に泣いて決勝進出を逃している。それだけに、1点の重みを忘れてはならない。

ただし、各選手の日頃からの取り組みの成果で守備面での粘り強さの向上や失点数減少など、チームが成長していることも確か。神田は「何回も海外遠征行ったりとかで、それが積み上がってきて、みんなの中で共通認識ができてきているからこそ、プレッシャーへ行くタイミングとか、ディフェンスラインのリスク管理のところとかは、1回じゃできないことだと思うんで、それが積み上がったのが今日プレーで出せたかなっていう感じがある」と頷く。残り2試合。内容、結果によりこだわって“4連覇”を果たす。

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