【ACL展望】2トップのコンディションが気掛かりなG大阪は、堅守+カウンターを貫けるか? SOCCER DIGEST Web 5月19日(火)17時0分配信

川崎戦で途中交代した宇佐美、右かかと痛を抱えるパトリックのコンディションが気掛かりだ。

 アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)は5月19日・20日に決勝トーナメント1回戦が行なわれる。日本勢は、19日に柏が水原三星と、20日にG大 阪がFCソウルと対戦。図らずも日韓対決となったラウンド16の戦い。果たして日本チームのコンディションと勝利へのポイントとはいかなるものか。『サッ カーダイジェスト』担当記者が、敵地で行なわれる第1戦を展望する。

ACL決勝トーナメント1回戦
FCソウル - ガンバ大阪
5月20日(水)/19:30/ソウルワールドカップスタジアム

ポイント1)敵地での第1戦に向けたチームの状態、雰囲気は?

直近の川崎戦は堅守からのカウンターが面白いようにハマるも、結果は1-1の引き分け。「シュートまでは持っていけた。最後のクオリティの問題で、それが引き分けになった原因」と宇佐美が語るように、シュート総数は19本と攻撃自体はある程度機能していた。

一方の守備は、川崎戦で1失点を喫したが一定の安定感を維持しており、攻守ともに決して悪い状態ではない。ただ「もったいない試合だったし、勝点を落としたという感じだった」(宇佐美)という声もあり、精神的ダメージが癒えぬままアウェーのFCソウル戦を迎える。

ポイント2)怪我人や出場停止などの懸念材料は?

戦線離脱していた右SBの米倉が川崎戦でフル出場を果たし、攻守にソツのないパフォーマンスを披露したのは好材料だ。

一方で心配なのは宇佐美のコンディションだ。川崎戦では自ら申し出て72分にピッチを後にしたが、試合での身体の状態を次のように語っている。
「あの時間でつるなんてことは今までまったくなかったので自分でも驚いた。一か所じゃなく、全身に来た感じだった。危ないなというのがあって自分から(交代を)言った」

パトリックも右かかと痛を抱えるなか、2トップの状態は懸念材料だ。

今野らを中心にこぼれ球の攻防で上回りたい。

ポイント3)対戦相手をどう攻略するか?

G大阪の基本戦術はこれまでどおりの「堅守+カウンター」だろう。FCソウルは、186センチの長身FWキム・ヒョンソンにボールを集めて、そのこぼれ 球を拾いながら攻撃を仕掛けてくる。「こぼれ球の攻防」は勝敗を分けるポイントのひとつで、今野らを中心に回収率を高めれば、逆にカウンターを繰り出せる だろう。

もっとも、FCソウルはグループステージの6試合で5得点・6失点。攻撃力が低く、守備力が突出した“攻低守高”なだけに、G大阪がボールを保持する場面も増えるはず。パトリックの高さで牽制しながら、宇佐美の個人技やサイドでのコンビネーションで打開したい。

ポイント4)攻撃・守備面で鍵を握るのは誰?

攻撃の鍵は、やはりJリーグでも屈指の2トップだ。パトリックを裏に走らせて相手のラインを下げながら、ブロックの隙間に宇佐美が入り込んで個人技で打 開できるか。逆に押し込まれる展開となっても、ふたりだけで攻撃を完結する力があるだけに、鋭いカウンターは効果的だろう。

一方で守備のキーマンは、ボランチの今野、丹羽と岩下のCBコンビだ。今野はこぼれ球の回収役としてフル稼働が期待される。また、CBコンビは的確なラ インコントロールをしながら、相手の長身FWに対応できるか。ラインを下げ過ぎれば“高さ”で押し込まれる危険性もある。

ポイント5)鹿島担当記者が語るFCソウルのウィークポイント

グループステージの6試合で計5得点という数字が示すように、攻撃力は決して高くない。中盤でのパスワークは一定のレベルにあるが、アタッキングサード でのアイデアを欠いているのだ。俊敏なユン・イルロクのドリブルや長身FWのキム・ヒョンソンへのクロスをケアしておけば、抑えることは難しくないだろ う。

ただし、セットプレーには警戒が必要だ。鹿島戦で挙げた3点のうち2点はセットプレー。イ・ウンヒ、オスマールらCBの高さは脅威で、ショートコーナーも織り交ぜるなどバリエーションも豊富。チャンスを与えないように、自陣でのファウルは極力避けたい。

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