G大阪が誇る堅守の謎 守護神が明かす「大きな要因」…自身の持ち味と良い相互関係に
GK一森は今シーズン横浜FMへのレンタルから復帰
ガンバ大阪は5月26日のJ1リーグ第16節でFC東京に1-0で勝利し、勝ち点を「28」まで伸ばした。今シーズン7度目となる無失点で試合を終え、リーグ最少の11失点をキープ。堅守を最後尾から支えているのが、今シーズン横浜F・マリノスへのレンタル移籍から復帰したGK一森純だ。
【動画】守護神・一森純の高精度パントキックから助っ人FWがゴールを決めた瞬間
一森は、「前半から悪くない展開でしたが、FC東京さんは一発で刺してくる力があるチームなので、良い流れが続いているなかでも、やっぱり怖さはありました。それでも耐えながら一発刺せて勝てたのは良かったです」と試合を振り返った。
これだけ失点が少ない要因については「まず自分たちが悪い時は、DFラインが低くて間延びしている状況になってしまいます。この前の川崎戦もそうですし、そういう時は失点してしまっている。今日も勇気を持って、相手に速い選手や強い選手がいても、全体をコンパクトにする。特に後ろを押し上げる守備ができているのは、1つ大きな要因だと思います」と守護神は語る。
ここまで今季16試合すべてに出場している一森は、FC東京戦でもピンチを未然に防ぐ守備を何度も見せた。FC東京のキャプテンMF松木玖生は、「第一優先で背後を狙うのは問題ないが、それに特化し過ぎて攻撃が怖くなくなってしまった」と反省したが、G大阪側からすれば、してやったりの展開だったと言える。
「前から(プレスに)行くことで、ボールホルダーにもプレッシャーがかかって後ろを狙いやすい部分もあります。そこで広大なスペースもできますが、そこは自分がカバーすれば、うまくチームは回っていく。やっぱり守備のコンパクトさと、プレッシャーに行くというところは大切なことかなと思います」と、チームの戦い方に自分の持ち味がフィットしている点を一森は語った。
昨季レンタル先の横浜FMはACL決勝に挑んだ「一緒に戦っている気持ちで見ていました」
現在G大阪のゴールマウスを任されている一森だが、数か月前までは前日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝を戦った横浜FMの正GKを務めていた。シーズンが切り替わるタイミングで横浜FMを離れることになったが、アラブ首長国連邦(UAE)1部アル・アインとの決勝第2戦も「一緒に戦っている気持ちで見ていました」という。
「ユニフォームも(ベンチに)飾ってくれていましたし、僕の思いを背負って戦ってくれていたと思うんです。そういういろんな人の思いも背負って戦ってくれていたので、気持ちになっていたでしょうし、僕自身も悔しかったですね」と、ACLを戦うチームを、その一員であるように見ていたと明かした。
今回はG大阪に戻ることになって、ACL決勝の舞台には立てなかった。だが今は、G大阪でアジアの頂点を競う舞台に立つことを目標に切り替えている。「移籍に関しては、僕の意思で行ける時もあれば、行けない時もあります。いろんな要素が絡まって今はG大阪に所属しているので、G大阪の選手としてチームを引き上げたいですし、素晴らしい仲間と一緒に戦えることを本当に誇りに思っていますし、また勝ち続けられるように頑張っていきたいです」と力を込めた。