【JリーグCS決勝|採点&寸評】大仕事の浅野が文句なしのMOM! 3試合連続ゴールの今野も評価に値 SOCCER DIGEST Web 12月5日(土)22時38分配信

広島――第1戦に続き、交代の札が抜群に機能。

【チーム採点・寸評】
広島 6.5
先制を許す展開は想定外だったが、そこから我慢強くチャンスを窺う様はまさに今季の象徴。スーパーサブの浅野、同じく途中出場した柏がチームを救ったあたりも、広島らしかった。

G大阪 5.5
序盤からハイプレスでプレッシャーをかけてボールを奪いにかかり、前半は広島にシュートの形を作らせず。今野の先制弾で流れを作ったが、時間を追うごとに 運動量が低下し、攻撃の鋭さも失われた。途中交代の浅野に西野が翻弄され、同点弾を浴びた時点で「2-0の勝利」というプランが崩れ、その後は打開策を見 出せず。

【広島|採点・寸評】
GK
1 林 卓人 6
失点の場面はシュートに反応していたが、DFに当たってコースが変わる不運。それでも、G大阪の度重なる攻撃にも冷静に、積極性を失わずに対応した。

DF
19 佐々木翔 6
得意の空中戦で長身の長沢を封殺。失点に絡んでしまったが、その後は途中出場のパトリックに自由を与えず、カバーリングも的確だった。

5 千葉和彦 6.5
CFへのくさびを素早く迎撃。第1戦のミスをしっかり反省し、念入りにコミュニケーションを取って最終ラインを統率した。失点後の修正力は評価に値する。

33 塩谷 司 6
影を潜めていた前半から一転、後半に入ると攻撃の圧力を最大へスイッチ。ウイングバックとの連係やシャドーへのパスで攻撃を活性化し、時にはインターセプトからゴール前まで侵入した。

MF
6 青山敏弘 6
ボールを持つと相手のマークにタイトに寄せられ、何度もピッチに打ちつけられた。それでも、縦につけるタイミングと精度は絶妙で、守備でも20分に身を挺して藤春のシュートをブロックするなど、キャプテンとしてチームを牽引した。

8 森崎和幸 6
遠藤にボールが入るとすかさずプレッシャー。ただ、自身もG大阪のプレスでミスも散見され、失点シーンでは今野にマークを外された。終盤は攻め急がず、時間を使うゲーム運びは経験を感じさせた。

9 ドウグラス 6
前半は厳しいマークにボールを受けられずにいたが、後半はフィジカルを活かして強引にキープ。カウンターの起点となり、攻撃にアクセントを加えた。

14 ミキッチ 6(65分OUT)
裏のスペースを突いてくる藤春と激しく火花を散らす。力任せに行かず、駆け引きで勝負するあたりはさすがベテラン。攻めては右サイドから果敢に仕掛けた。

27 清水航平 6(90分OUT)
押し込まれる時間帯も多く、自分のサイドからの攻撃は回数が限られたが、そのぶん守備で奮闘。球際に迷わず飛び込み、カウンターにつなげた。

30 柴崎晃誠 5.5
開始直後のミドルをはじめ、ゴール前に顔を出してシュートチャンスを3回得た。しかし、いずれも仕留め切れず。決めていれば、もう少し楽にゲームを運べていただろう。

FW
11 佐藤寿人 5.5(57分OUT)
厳しいマークのなか足もとに収めつつ、素早く両サイドに展開。ゴール前では潰れ役となり柴崎のシュートに絡んだが、自身はノーゴールのままピッチを後にした。

交代出場
FW
29 浅野拓磨 8(57分IN)
63分、スピードで西野をぶっち切り、ペナルティエリア内に侵入。このチャンスは逃したが、76分に柏のクロスを豪快にヘッドで合わせて殊勲の同点弾を沈めた。チームの優勝を確実なモノとし、第2戦の公式MVPに輝いた。

MF
18 柏 好文 7(65分IN)
第1戦に続いて右ウイングバックで途中出場し、果敢に突破を仕掛けて浅野のゴールを演出。流れを変える役目を果たし、2戦合計3得点に絡む活躍を見せた。

DF
4 水本裕貴 -(90分IN)
3枚目のカードとして90分から登場。眼窩底骨折から復帰を果たし、サポーターから拍手で迎え入れられた。当初の予定よりも早く回復し、優勝のピッチに立てただけに、喜びもひとしおだろう。

監督
森保 一 7
劣勢の展開にもブレず、浅野、柏と勝負をかけた2枚のカードで同点にした采配は見事。4年間で3回目の優勝は、大いに称えられるべきだ。

G大阪――今野の先制点まではプランどおりだったが……。

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 5.5
開始4分に柴崎のシュートを防ぐと、以降は大きなピンチもなく後半へ。76分にヘディングシュートを浴び、素早く横に飛んで反応したが届かず。結果的にこの一撃が響いた。

DF
5 丹羽大輝 6.5
ドウグラスのドリブルに対して絶妙な距離感で対応。カバーリングもほぼ完璧で、西野の軽い対応に対して激怒する場面も。個人としてのパフォーマンスは出色だった。

3 西野貴治 5(79分OUT)
後半途中まで安定した対応を見せるも、浅野が投入されると1対1の局面が増加。70分には浅野にターンでかわされピンチを招くと、76分にはマークを外して被弾した。

4 藤春廣輝 5.5
序盤からミキッチの裏を大胆に突いて攻撃を活性化。後半に入るとやや縦への推進力が落ち、攻撃に顔を出す回数も減少。連戦の疲れは隠せず、終盤はスピード感も落ちた。

14 米倉恒貴 5.5
清水の上がりをケアしながら、機を見て一気に裏のスペースへ侵入。前半は積極的な姿勢を前面に打ち出したが、後半は中盤が間延びした影響もあり連係での崩しが見られず。

MF
7 遠藤保仁 5.5
正確なFKから今野の先制ゴールをアシスト。一瞬のスキを突き、ループパスで局面を変える判断力は圧巻だが、後半は運動量が明らかに低下。ピッチを支配する力が次第に衰えた。

15 今野泰幸 6.5
CS3試合連続ゴールを叩き込み、チームの士気を高めた。序盤から球際で激しい攻防を見せ、44分には警告も。同点後は最終ラインに入り、浅野の突破を上手く封じたのだが……。

13 阿部浩之 5.5
“89年組”の清水と激しいマッチアップ。全力での守備で後方を助けた一方、崩しの局面で意外性のあるプレーが少なく、「良いプレーをするも怖さなし」の印象が拭えず。

19 大森晃太郎 6(57分OUT)
8分に宇佐美のクロスに反応するも、ヘディングはゴール上へ。打開時にやや工夫を欠いた感も否めないが、守備の献身性は評価に値するもので、交代まで役割を全うした。

39 宇佐美貴史 5.5
強烈なミドルシュートや鋭いクロスをファーサイドに上げて、大森や阿部のチャンスを演出。前半は存在感を放つも、後半は好機に絡めないまま公式戦11試合不発に終わった。

FW
20 長沢 駿 5(64分OUT)
前線からのチェイシングで貢献も、相手の激しい寄せに屈し、思うようにボールを収め切れず。後半に入ると攻撃に絡む場面が減り、ゴール前で持ち前の高さを発揮できなかった。

交代出場
MF
11 倉田 秋 5.5(57分IN)
大森に代わって左サイドハーフでプレー。67分のカウンターでは、ハーフウェーライン付近からドリブルで持ち上がって脅威を与えたが、以降は大きな見せ場を作れなかった。

FW
29 パトリック 5.5(64分IN)
両軍の陣形が間延びし始めた64分に投入され、動き周りながら裏のスペースを狙い、相手の体力を削った。エリア内で勝負する場面は何度もあったが、肝心のゴールは生まれず。

MF
21 井手口陽介 -(79分IN)
同点に追いつかれた直後に投入され、両軍唯一の10代としてプレー。ただ、チーム全体の動きが鈍く、攻撃のスイッチを入れられないまま、刻々と時間だけが過ぎ去った。

監督
長谷川健太 5.5
2点が必要な状況で1トップに長沢を再び抜擢するも、この采配は奏功せず。一時はリードし、「あと1ゴール」の状況にまで迫ったが、痛恨の被弾で試合プランが瓦解。後半の勢い低下が失点の主因で、交代策も今回は奏功しなかった。

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