まさに“闘う漢”。リーグ最少タイ失点で4位浮上のG大阪の裏にあるCB中谷進之介の存在感
貴重な同点ゴールもマーク
[J1第15節]G大阪 3-1 川崎/5月19日/パナソニック スタジアム 吹田
ポヤトス体制2年目のG大阪が波に乗って来た。
12節のC大阪とのダービーを制してから2勝1分、しかもすべて無失点と、安定した成績を挙げてきたG大阪は、15節の川崎戦では4試合ぶりにゴールを奪われるも、3-1で逆転勝ち。さらに勢いに乗りそうな白星を手にしたのである。
4-2-3-1のシステムを敷くなか、ゼロトップのようなポジショニングで攻撃に変化を加え、さらに川崎戦では絶品のプレースキックで2アシストした宇佐美貴史、中盤でチームをコントロールするネタ・ラヴィと鈴木徳真ら、前線で宇佐美と組む坂本一彩、両翼の山下諒也、ウェルトンら、チームを後押しするタレントは多いが、なかでも抜群の存在感を放っている男がいる。今季、名古屋から加入したCB中谷進之介だ。
川崎戦では先制点を奪われた直後の28分には宇佐美の左からのFKに頭でわずかに合わせ同点弾をマーク。それだけでなく本職のディフェンスでも魅せた。
小まめに最終ラインを上げ下げしながら、相手のシュートを身体を投げ出してブロック。ゴールを死守して見せれば、大きなガッツポーズを作って周囲のテンションを引き上げる。
CBで組む福岡将太は川崎戦で勝ち越し弾となるJ1初ゴールを奪ってみせたが、彼を筆頭に、中谷の熱を身体でも心でも受けて、能力を引き出されている選手も多いに違いない。
「チームの士気を、サポーターを盛り上げていけるように」
その行動の裏には強い想いがあり、今やG大阪の新たな活力になっていると言えるだろう。
もっとも熱いだけで終わる男でもない。
クリアを攻撃の起点になるように、正確に味方につなごうとする意識は要所で見られ、何度も練習を積み重ねながら導き出された職人技のように、クロスを跳ね返すためのポジショニングや1対1の対応も光る。
チームは直近4試合を3勝1分で戦い、4位に浮上。総失点「11」は町田、神戸とともにリーグ最少だ。その中心にいる中谷は、今後も欠かせない選手として、そしてスタジアムの熱を上げてくれる存在として、観る者を楽しませてくれるはずだ。