美しき2アシスト。G大阪・宇佐美貴史が逆転勝利の川崎戦で魅せた圧巻のプレースキックの背景
記者陣に主張も
[J1第15節]G大阪 3-1 川崎/5月19日/パナソニック スタジアム 吹田
直近3試合は2勝1分、しかもすべて無失点と、調子が上がってきていたG大阪は、15節にホームで川崎と対戦。
26分には4試合ぶりにゴールを奪われるも、直後にDF中谷進之介、70分にはDF福岡将太と、両CBのセットプレーからの得点で逆転に成功すると、81分には途中出場したばかりのMF倉田秋が加点して勝利を掴んだ。
サポーターから大きな声援を受けたのは、精度の高いキックで中谷と福岡のゴールをアシストした頼れるキャプテンの宇佐美貴史だ。
「相手を褒めるしかなかった」(宇佐美)という川崎らしい崩しから先制を許し、気落ちしそうな場面でやはり仕事をするのがこの男だった。
26分、相手陣内左サイドでFKを得ると、「ちょっと距離もあるのでキーパーは出られるか出られないか、味方が触れるか触れないか、フォアのポストに巻いて向かって行くようなボールを意識した」と右足で狙ったボールは美しい軌道を描きながら、中谷の頭をかすめてゴールへ吸い込まる。
もっとも宇佐美は試合後に、「触ってないですよ。Jリーグに解析して欲しいと記事にしてください」と、中谷のゴールではなく、自らのゴールだと主張し、記者陣を笑わせる一幕もあった。
そして1-1で迎えた70分にも宇佐美は魅せる。
今度は右CKをニアサイドへ。飛び込んだ福岡の強烈なヘッド弾をお膳立てしてみせた。
「ポイントに良いところに蹴ったと思っても、人がいなかったりだとか、そういうことが多かったので、自分は同じ場所に蹴り続けようと思っていました」
狙いすましたボールが福岡のタイミングとガッチリ合ったゴールだったと言えるだろう。
宇佐美曰く、プレースキックには常に手応えがあったという。
だからこそ「ポイントに入ってきてくれれば、確実にチャンスになる」とも力強く語る。
その言葉通り鋭いキックを何度も供給。3勝1分と波に乗り始めたG大阪において、この7番のプレースキックは今後も大きな武器になりそうだ。