【G大阪】昨季と違うディフェンスで上位定着を狙う リーグ最少失点で5位浮上
ガンバ大阪が堅守を武器に上位定着を狙う。
11日の名古屋グランパス戦では、ウノゼロ勝利で今季3度目の連勝を飾り、5位に浮上。苦しんだ昨季とは違い、勝負強さを感じさせる戦いを続けている。
得点数は11とリーグワーストでありながらもこの順位にいられるのは、守備の安定があるからに他ならない。失点10は首位ヴィッセル神戸、2位FC町田ゼルビアと並ぶリーグ最少。昨季は同じ13節終了時点で勝ち点7で最下位の18位に沈み、28失点を喫していたことを考えれば、その違いは明らかだ。
FW宇佐美貴史(32)がコンディションを上げ、FW坂本一彩(20)、MFの岸本武流(26)、鈴木徳真(27)、山田康太(24)といった走れる選手が加入したことで、チームとしての守備が機能するようになったことがその要因と言える。
前線から積極的に守備に動き、全体をコンパクトに保つ戦いに宇佐美は「守備の部分はすごく整備された。(失点)ゼロで守れるとか、前で奪えるっていうところは自分たちのストロングな部分だと理解している。そこが一番大きい」と変化を実感。センターバックで高いレベルの仕事を続けるDF中谷進之介(28)も「前線からしっかりみんながプレスバックしてくれているし、コンパクトにしてカバーできる状態を作っておくことはできている」と一定の手応えを得ている状況だ。
チームとして守れていることに加え、中谷、GK一森純(32)が個々でも質の高さを見せていることも見逃せないポイントだ。今季ここまでフルタイム出場の2人は、チーム守備が破られた際に個の力で失点を阻み、結果に貢献してきた。
指揮官が「メンタルの強さを与えてくれている」と話す通り、勝負に懸ける思いの強さも良い影響をおよぼしている。中谷は「失点することはたくさん経験してきている。少しでも集中力を切らさないところは、周りに伝染できるようにやっている」と意識し、静かだと感じていたというG大阪に変化をもたらした。
一森は昨季横浜F・マリノスでプレーした経験をベースに、要求する基準を上げてチームを支えている。失点が少ない状況にも「ピンチも作られているし、常に危険と隣り合わせという認識。失点がそこまで増えていないことは自信につなげても良いと思うけど、もっともっと目を向けるべきところがあると思っている」。この意識がさらにチームを引き上げようとしている。
「形」ができつつあるチームを経験ある2人が最後尾から締める現在のG大阪。この状態が保てれば、今後も昨季とは違う景色を見続けられることになりそうだ。【永田淳】