長谷川、森保両監督のCS好采配で「ハリル評」がまた悪化 日刊ゲンダイ 12月4日(金)9時26分配信

Jリーグの年間王者を決める「チャンピオンシップ(CS)」決勝の2試合(2日=G大阪ホーム、5日=広島ホーム)は、「次代の日本代表監督を任せられる日本人指導者同士のガチンコ対決」でもある。

G大阪相手に2度の勝ち越しを許しながら、3-2の大逆転劇を演じた広島を率いる森保一監督(47)は、監督就任1年目の12年と翌13年にJリーグ連覇。今CSを制すると監督在任4年で3度のJ優勝となり、日本代表監督候補の最右翼だ。

G大阪の長谷川健太監督(50)は、13年にJ2に降格したG大阪の監督に就任し即優勝。J1昇格1年目の14年はJリーグ、天皇杯、ナビスコ杯の3冠を達成。有力候補に名乗りを上げた。

「広島・森保監督は、毎年のように主力を浦和に引き抜かれながら、若手を適材適所で使って能力を100%引き出した。チーム力を低下させない手腕は見事です」と、サッカージャーナリストの六川亨氏がこう続ける。

「ボールを奪ってからのシュートカウンターの威力は抜群です。堅守速攻が基本戦術も、局面に応じて両SBを高い位置に張らせて攻撃姿勢を強調するなど、戦術的な引き出しの多い指揮官です」

2日の第1戦、広島が1-2とリードされて迎えた後半アディショナルタイム。右サイドからのFKを相手ゴール前に放り込むのではなく、グラウンダーの ボールで「左45度後方」に戻し、改めてクロスを入れた。ひと手間を加えることで虚を突かれたG大阪選手はマークを外してしまい、劇的ゴールが生まれた。 森保監督の引き出しの多さのたまものだった。

G大阪の長谷川監督は「奇をてらった采配ではなく、スタンダードな戦術が基本線ですが、相手の特徴を把握した上で誰を先発させるか、誰をベンチに置くか、どの局面での選手交代が効果的かなど、実戦的なゲームプランを立てるのがうまい」と前出の六川氏。

「浦和とのCS準決勝で長谷川監督は足の速いMF倉田、DF米倉をサブに回し、浦和の選手の足が止まる後半途中に投入してチームに勢いを注入した。エース FW宇佐美はJリーグ後期、疲労もあってパフォーマンスが低下したが、長谷川監督は主軸の自覚を持たせるためにもスタメン出場させ、しかしながらデキが悪 いと後半早々にスパッと交代させるなど、メリハリの利いた采配はさすがです」

■「J1の18チームは多過ぎる」発言で不興

森保、長谷川両監督とも日本サッカー協会内で高い評価を集め、「2人ともハリルホジッチ監督の代わりは務まる」という声も聞こえてくる。

CS準決勝を観戦したハリルは「レベルが低過ぎる。J1の18チームは多過ぎる」と徹底的にダメ出しをしたが、実はこれがサッカー協会内で不興を買っている。

まるで自己保身のためにJリーグと日本人選手をスケープゴートにしているので、協会関係者はハリル発言を苦々しく思っているのだ。

選手選考や起用法に一貫性がなく、試合中にフリーズしてしまい、布陣や戦術変更など柔軟性に欠ける――。これが一般的なハリル評である。

森保か、それとも長谷川か。どちらが代表を指揮しても、ハリルよりはマシじゃないか?

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