FC琉球DF藤春広輝、ルヴァン杯で迎える古巣・G大阪戦への思い「一番勝ちたい」「まだおれはできる」

J3・FC琉球の元日本代表DF藤春広輝(35)が、今月24日にルヴァン杯2回戦で対戦する古巣・G大阪戦(タピスタ)を前に、スポーツ報知のインタビューに応じた。プロ入りから昨季まで13シーズン過ごした古巣への感情、そして対戦相手としてG大阪を沖縄に迎える一戦への決意を語った。(取材・構成 金川誉)

G大阪との別れから約4か月。藤春は沖縄という新たな環境を楽しみ、サッカー選手としての喜びを思い出していた。

「元気にやっています! サッカーもそうですけど、環境もすごく温かいし、ご飯もおいしい。試合に出られることの楽しさも、改めて感じ取っています。J3でも中3日とかはきついんですけど、やっぱり今までの経験があったから、何とかできているのかな、と思います」

今季加入した琉球で、ここまで公式戦全試合(リーグ戦9試合、ルヴァン杯1試合)にフル出場。3バックの左を務めている。

「連戦は最初きつかったんですけど、1回やってみると体が慣れてきて。3バックですけど、チームの中でも走っているほうなんで。(スタイルは)G大阪時代と全然違う。縦パスを入れたり、チームの中でも一番ボールを触るぐらい。ビルドアップはかなり意識しています」。G大阪では主に4バックの左として、スピードを生かしたオーバーラップが持ち味で、生かされる側だった。新天地では3バックの一角として、守備ではカバーリング、攻撃面ではビルドアップにも多く関わる新たな役割と向き合い、日々成長しようと務めている。

一方環境、設備面で恵まれていたG大阪とは違う点もある。「練習着も自分で洗う、タオルも持参。そういう部分は最初、戸惑いましたけど、今は普通にやれています。G大阪は環境がよかったんやなあ、とありがたみを感じていますし、この年齢で経験できていることは本当によかったです」と前向きだ。また食事も「食堂が多くて、安くていっぱい食べられます。チャンプルーとか。もずくも毎日食べています。おいしすぎて、いっぱい食べちゃうので、体重は増えてます。でも、自分にとってそれはいいことなんで」。練習や試合にすべてのエネルギーをつぎ込む藤春は、やせやすいことが悩みの一つだったが、沖縄ではその悩みは解消されているという。

新天地で充実した日々を過ごす中で、ルヴァン杯でG大阪との対戦が決まった。その瞬間は、さまざまな感情が湧き上がったという。「やっぱり持ってるな、と思いました。まだ沖縄にきて数か月かしか経っていないけど…一番勝ちたい、って思います。やっぱりガンバとできる喜びはあるし、琉球の選手達にとってもこの経験は大きい。自分にとっても13年間お世話になったガンバとの対戦は、本当に楽しみです」

現在でもG大阪時代のチームメートとは連絡を取り合うという。「ヒデ(石毛秀樹)とか、(唐山)翔自とか。翔自はサッカー大好きなんで、連絡してきますよ」。G大阪の今季の試合もチェックしており「新加入選手がアグレッシブに走れるし、戦えている。新しい風を吹かせてる。そういう選手がいるからこそ、(宇佐美)貴史が生きているのかな。3冠とった2014年もそんな感じだったので。阿部ちゃんや(大森)晃太郎が走って。あれが一番、貴史が生きる形なのかな」と分析する。

昨季限りでG大阪と契約満了となった藤春。対戦を前に、古巣を見返したい、という気持ちがあるのか問うと「それは、ないっすかね」と話した。「正直言うと、ガンバのことも好きですし、点入れたいとかそこまで思わない、というか…。でも試合になったら、それは変わると思います。でももし点を入れても、喜べないかな…」とつぶやいた。

しかしプロとして、全力で戦い続けている姿を見せることは大前提だ。「まだまだおれはできる、って見せたいですし。沖縄は大阪から遠いけど、元気にしているって見せたい。楽しみですし、頑張ります」と笑った藤春。G大阪を愛し、愛された男は、新天地・琉球のユニホームを着て古巣と戦う一戦を、心待ちにしていた。

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