終盤の単独突破には敵地もどよめく…0-2敗戦もG大阪FW宇佐美貴史「悲観する内容ではなかったと思う」
[4.10 J1第3節延期分 横浜FM 2-0 G大阪 日産ス]
横浜F・マリノスに対してシュート数で22対12と大きく上回るなど、立ち上がりから数々の決定機を作ったガンバ大阪だったが、0-2の敗戦で今季初の連敗を喫した。
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今季初のフル出場でチーム最多6本のシュートを放ったFW宇佐美貴史は試合後、「一発で試合を決める選手が向こうにはいて、こちらにはいなかったというだけ」と悔いを口にした。宇佐美自身はこの日、前半は的確なプレスバックと背後への抜け出しでカウンターを牽引し、後半はエリアを問わずボールに顔を出して攻撃に関与。終了間際には切り返しや股抜きを駆使した圧巻の単独突破で敵地のスタンドをどよめかせたが、ゴールにつなげることはできなかった。
もっとも試合内容は前向きに捉えられるものだった。序盤からボール保持率こそ横浜FMに上回られたものの、狙いとしていた中盤でのボール奪取から次々にショートカウンターを披露。1トップ起用の宇佐美と左ウイングのFWウェルトンが何度もゴール前に駆け上がり、惜しいシュートを浴びせていた。
最終ラインからのビルドアップでも横浜FMのプレッシングをかいくぐることができており、右ウイングで今季初先発となったFW唐山翔自、パリ五輪予選の活動でチームを離れたDF半田陸の穴を埋めるDF福岡将太も上々のパフォーマンス。ゴール前の対応で遅れを取った先制被弾のシーンは悔やまれたものの、全体としてはプラン通りの試合運びができていたように思われた。
そうした試合内容については、宇佐美も前向きに受け止めていた。「ここ4試合勝てていないので危機感を募らせるべきではあるけど、マリノス相手にこれだけ打ち合えたシーズンはここ数年はなかった。どちらに転んでもおかしくないゲームの中で、したたかに勝ちを持っていかれた未熟さはチームとしてはあるけど、個人的に全然悲観する内容ではなかったと思う。(前節の)札幌戦の負けのほうが響いた」。
残留争いに巻き込まれていた一昨季は敵地・日産スタジアムで、この日と反対の2-0の勝利を飾っていたが、「残留争いをしている時は守って守ってセットプレーを取ってという勝ち方はできたけど、それは自分たちが目指すところではなかった」と宇佐美。攻め抜いての敗戦には「真っ向勝負をした中でああいう相手に打ち合えたのはポジティブに言えば自信にするべき」と手応えも口にした。
試合後のサポーターのリアクションからも、現在のチームに対する思いを感じ取っていたようだ。「チーム全員が危機感は募らせていると思うのでそこのバランスが大事。危機感だけではダメだし、自信だけでもダメ。今日もサポーターは負けたにもかかわらず、ポジティブな反応を示してくれたので、なんとか次の鳥栖戦に勝って、この負けの流れを払拭できるようにしていきたい」。まずは中3日で行われる次節・鳥栖戦での再起を誓った。