【JリーグCS決勝|採点&寸評】G大阪×広島|決勝点を挙げた柏は、スタメン以上の輝き。G大阪は退場劇の後に「慌ててしまった」(今野) SOCCER DIGEST Web 12月2日(水)23時18分配信

G大阪――パトリックが決定機をモノにしていれば……。

【チーム採点・寸評】
G大阪 5.5
先制するまでの流れはほぼプランどおり。一度同点に追いつかれた直後に勝ち越し、流れはG大阪に傾いていたが、オ・ジェソクの退場後は「慌ててしまった」(今野)。前半から好機はあっただけに、チャンスを逃し続けたツケが回ったとも言える。

広島 7
守備のバランスを保ち、自陣で網にかけるカウンター戦術を徹底。9試合ぶりの複数失点は課題だが、2度のビハインドを背負いながらロスタイムに2ゴールを突き刺し、年間勝点1位の貫録を見せた。

【JリーグCS決勝・マッチレポート】G大阪 2-3 広島

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 5.5
終盤まで危ない場面は少なかったが、80分に同点弾を決められると、アディショナルタイムに2点を追加されて逆転負け。悔やまれるのは浅野の飛び出しに対する対応か。

DF
22 オ・ジェソク 4.5
球際の攻防は鬼気迫るものがあったが、86分に清水を突き飛ばして一発退場。終盤までの奮闘は称えたいが、退場が悲劇の逆転負けを誘発し、「戦犯」となった事実は極めて重い。

5 丹羽大輝 5.5
中央に入ったボールを確実に撥ね返し、後半途中までラインコントロールもソツがなかった。しかし80分、浅野に裏のスペースを突かれ、これが同点弾の流れを作った。

3 西野貴治 5.5
1トップの佐藤や2シャドーの飛び出しを警戒しながら、寄せるべき場面では躊躇なく潰しにかかった。アディショナルタイムのFKで佐々木の前に入って飛ぶも触れず、同点弾を許した。

4 藤春廣輝 5.5
ミキッチと何度も対峙し、クロスを上げられる場面もあったが、徐々にプレーが安定。守備のタスクをこなしつつ、機を見た上がりも光ったが、浅野に裏を突かれたのは減点材料。

MF
7 遠藤保仁 5.5
相手2ボランチのプレーを警戒しながら頭脳戦を展開。ヒールパスでさりげなくチャンスを作る判断力はさすがのひと言ながら、後半は活動量が低下して存在感も薄れた。

15 今野泰幸 6.5
危険なエリアをケアし、遠藤が上がった後のスペースもカバー。最終ラインの前に陣取る姿は、まさに中盤の門番。81分にゴールを決めて、勝利の立役者になるかと思われたが……。

13 阿部浩之 6
9分にクロスの流れから左足シュートも、わずかに枠を捉え切れず。豊富な運動量で攻守に顔を出し、足もとの技術を活かして攻撃を活性化。攻守両面で幅広く役割をこなした。

19 大森晃太郎 5.5(62分OUT)
スルスルと守備網の間をすり抜ける動きは秀逸。塩谷やミキッチへ猛然とプレスをかけて自由を与えなかった。全力の守備でチームを助けたが、後半はスプリント力が落ちたか。

39 宇佐美貴史 5.5(89分OUT)
前半はクロスで阿部のシュートチャンスを演出すれば、ドリブルで千葉を振り切り左足のミドル。局面での鋭さと怖さは突出していたが、肝心のゴールにつながらなかった。

FW
20 長沢 駿 6.5(77分OUT)
パトリックに代わり先発に抜擢。前線でボールを収め、守備でも素早く寄せてプレッシャーをかけた。60分に相手のミスを突いて先制弾。大一番でのゴールは高く評価したい。

交代出場
MF
11 倉田 秋 5.5(62分IN)
1点リードの状態で投入され、スピードを活かした突破を披露。不幸だったのは、チーム自体の足が止まり始めていたこと。ひとり少なくなってからは、守勢に回るばかりだった。

FW
29 パトリック -(77分IN)
疲れが見え始めた長沢に代わって出場すると、全力プレスで守備に奔走。遠藤のFKに頭で合わせたのが最大の見せ場だったが、ボールはゴール上へ。これが決まっていれば……。

DF
14 米倉恒貴 -(89分IN)
オ・ジェソクの一発退場もあり、宇佐美に代わって急きょ出場。最終ラインに入って広島の攻撃に対応したが、混戦から突破されて3失点目を喫した。

監督
長谷川健太 5.5
抜擢した長沢が先制点を決めて「長谷川マジック、再び」を思わせたが、オ・ジェソクの退場でゲームプランが崩壊。米倉投入で応急手当も、ひとり少ない終盤に組織が崩れた。

広島――交代の札が見事に機能。指揮官の手腕は評価に値する。

【広島|採点・寸評】
GK
1 林 卓人 6
24分、宇佐美のシュートを横っ飛びで防ぎ、ピンチを回避。失点はDFのミスと混戦からの一撃で、GKとしてはほぼノーチャンス。相手の波状攻撃に晒されても慌てず、安定したパフォーマンスを見せた。

DF
19 佐々木翔 6
長身の長沢相手に空中戦の強さを見せるも、バックパスがズレて相手に先制点を献上。展開力で水本との差を感じさせたが、後半アディショナルタイムの同点弾でマイナス要素は一気に吹き飛んだ。

5 千葉和彦 6
広範囲に動いて相手のプレスをいなしながら、縦パスを撃ち込む形を徹底。43分、安易にボールを取りに行き、宇佐美にかわされた場面はヒヤリとしたが、大事には至らなかった。

33 塩谷 司 6
序盤のトラップミスで慎重になりすぎたか、エンジンがかかるのに少し時間を要した。それでも、終盤にはミドルシュートでゴールを脅かすなど攻撃にアクセントを加え、大逆転勝利を陰で演出。

MF
6 青山敏弘 6
思うように中盤でボールを受けられず、持っても一瞬で四方を囲まれて苦戦したが、絶妙な浮き球で佐々木のヘッドを引き出すなど要所は抑えた。

8 森崎和幸 6
判断ミスで佐々木のバックパスをお見合いしてしまい、まさかの失点。ただ、85分にはゴール前のピンチで身体を投げ出してシュートを防ぎ、チームの勝利に貢献した。

9 ドウグラス 6.5
スピードに乗ったカウンターでG大阪を牽制。ファウル覚悟のハードチャージに苦しみながらも、周囲を上手く使いながらチャンスを窺い、柏のクロスを絶妙なヘッドで流し込んだ。

14 ミキッチ 6(69分OUT)
裏のスペースを突いて来る相手に対応すべく、激しく上下動。攻撃の際は前後左右にDFを揺さぶってマークのズレを作り、ゴール前にクロスを供給した。

27 清水航平 6.5(89分OUT)
オ・ジェソクと激しい攻防を展開。鋭いクロスを上げるだけでなく、球際で泥臭く戦い、相手を数的劣勢に立たせた点はターニングポイントになった。

30 柴崎晃誠 6
本来はボールを引き出してタメを作りたいところで、ボールが出て来なかったが、粘り強くプレーし、最後まで全体のバランスを保った。

FW
11 佐藤寿人 5.5(58分OUT)
17分、右サイドからのクロスにヘッドで合わせるも、シュートは枠外へ。チームは劇的勝利を飾ったが、個人としては丹羽と西野のCBコンビに苦しめられた。

交代出場
FW
29 浅野拓磨 6.5(58分IN)
相手を背負ってボールを受けても、激しい寄せで簡単に前を向けないなか、カウンターからのポスト直撃シュートでゴールの起点になった。

MF
18 柏 好文 8(69分IN)
サブからの出場となったが、スタメン以上の輝き。相手がひとり少なくなった瞬間に攻撃の圧力を高め、ドウグラスの同点弾をアシストし、さらに広島サポーターを歓喜の渦へと誘う決勝点を沈めた。

MF
16 山岸 智 -(89分IN)
チームの命運をかけて登場。直接ゴールに絡むことはなかったが、左サイドからの仕掛けで相手の陣形を崩し、決勝ゴールを生む呼び水となった。

監督
森保 一 6.5
57分と早い時間帯で浅野を投入し、さらに柏、山岸と最後まで勝利を狙う采配。チーム力を結集させたゲーム運びは評価に値する。

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