残留争い続く中で巻き返しを図るG大阪、新スパイクを手に挑む石毛秀樹は「自分の色を出したプレーでタイトル獲得を」と意気込む
2024明治安田Jリーグは、2月23日に開幕。「ヒュンメル」がサポートして2年目となるガンバ大阪は、2月24日にアウェイのFC町田ゼルビア戦でスタートを切る。「ヒュンメル」は、2023年にアドバイザリー契約を結んだG大阪の石毛秀樹に新シーズンの意気込みを聞いた。
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サッカー王国と呼ばれる静岡県出身の石毛は、地元のスクールでサッカーを始め、サッカーは清水エスパルスと共にあった。エスパルスサッカースクールから、アカデミー、トップも含め、期限付き移籍期間を合わせると約19年もの長きにわたって清水に在籍。そんな故郷を離れる決意をしたのが2021年12月。石毛は、感謝の気持ちと共に強い覚悟を持ってガンバ大阪への完全移籍を決めていた。
「3年前、ガンバでタイトルをとりたいって思ったし、このチームならできると思った。そういう気持ちで大阪にやって来た。実際、2年間は残留争いで、カップ戦でも大きな成果は出せず、思った通りにはいっていません。ただ、このチームで優勝したいって気持ちは、来た時から変わっていない」と話す。
今年、G大阪はクラブとして7位以上という目標を立てている。「この数年を考えると妥当だとは思いますが、7位を目指してプレーするわけじゃない。みんなタイトルをとりたいって思ってるし、そこを狙っていかないといけない。やるからには全部勝って優勝したいという気持ちで、今年もガンバで頑張ろう、と思っています」と自身のプロキャリアでは初めてとなる優勝を目指す。
G大阪に加入した2022シーズンはリーグ戦20試合に出場し、0得点、プレータイムは925分。2023シーズンは、22試合3得点、915分となった。「昨年はコンスタントに好不調の波なくプレーできた。ただ、その自らの手応えと試合への出場は別もの。選手である以上、ピッチに立つことが一番大事ですが、試合に出られないことでフラストレーションをためても自分に良い影響はない。そのメンタルがあったからこそ、昨シーズンは良いプレーを継続できた」と振り返る。
2019年4月、右ヒザをケガし、そこから長いリハビリ生活を送ったことがプラスに働いている。「あの頃は自分についてよく考えた期間になりました。サッカーができないことに焦るのではなく、昨日できなかったリハビリメニューができるようになるという、小さな喜びを積み重ねる日々。ほんとに、『プロリハビリ選手』って感じでしたから」と笑う。
「自分にできることは、練習し、チームで立てる対策をピッチで表現すること。毎週その繰り返しで、スタメンでも途中出場でも準備が必要。スタメンだと試合をつくる、先制する、ということ。途中出場だと時間や得点状況を踏まえて、勝利への逆算を考えてプレーする。昨シーズン、ベンチで試合を見ているときも、そうやって考えながら試合を見ていた」とし、考えてプレーすることが自分の持ち味のひとつになっているという。
その石毛は、アドバイザリー契約を結ぶ前の2022シーズンから「ヒュンメル」のスパイクを着用。2023年11月には、新開発の『ヴォラート3』を手にした。「複数のシューズを交互に履き替える選手もいますが、僕は同じのを履きたいタイプ。最初2足もらったのですが、練習では1足を履き続けて履いています。3カ月以上と長く履いていても型崩れしない。僕の足の型になっている。そういう意味では、耐久性もあるんだな、と今になって思いますね」と時間の経過と共に感じるメリットもあるという。
写真提供:ヒュンメル
「ヴォラート3には何よりフィット感がありますね。まず、靴ずれしないので、自分の力を出しやすい。素足に近い感覚です。サッカーを始めた5歳から小学2年生まで、エスパルスのサッカースクールでは上靴で練習していたんですよ。素足に近い感覚でサッカーをしたほうがいいという方針で、そのときの感覚を思い出しました。そういう意味では、僕にとっては慣れ親しんだ素足感覚で、コントロールしやすいスパイクです」と新スパイクを履いて、新シーズンに挑む。
巻き返したい2024シーズンのG大阪は、期限付き移籍からの復帰も含めて13人の新戦力が加わった。「最初から自分の色を出してくる、前向きにやっていける選手が多く、刺激を受けているし、競争も激化している。自分も自分の色を出していかないと」と石毛は危機感や緊張感をモチベーションに変える。
毎シーズン、数値目標を掲げていなかったという石毛だが、今季は『5ゴール、5アシスト』という目標を立てた。「昨年、試合に出続けることができなかった。プレーの質を高めることと共に、数字を残すことが、プレータイムを伸ばすことにも必要だと思った」とスタイルを変え、数字へのこだわりを見せる。
また、メンバーが変わり、フォーメーションにも変化があり、石毛はボランチとしてプレーする。「一列下がったところで、得点は難しくなる部分もありますが、逆にミドルシュートが打ちやすくなる。攻撃的でゴールに関わるボランチという自分の色を出し、考えながら走り続けられることやプレースキックの精度を生かせば、個人的な目標にも近づいていく。数字を残すことができれば、チームの結果にも繋がっていくと思っています」と、3年前に決意したG大阪でのタイトル獲得を目指したシーズンが、いよいよ始まる。