引退表明の遠藤保仁選手へ父「監督になった息子も見てみたい」…関係者からねぎらいや期待
鹿児島市・桜島出身で、サッカー元日本代表のMFとして活躍した遠藤保仁選手(43)が現役引退を表明した9日、関係者からはねぎらいや指導者としての今後の活躍を期待する声が相次いだ。
同市に住む父親の武義さん(76)によると、昨年末、遠藤選手から「(引退を)決断した」と電話があった。年が明けた今月2日、遠藤選手が実家を訪問。武義さんと母親のヤス子さん(75)、長兄の拓哉さん、次兄の彰弘さんを前に、現役を引退して指導者の道に進むことを報告したという。
その時の遠藤選手について、武義さんは「普段通り淡々とした感じ。悔いが残っているような様子でもなかった」と振り返る。拓哉さんからは「もう少しやれるんじゃないか」とも言われた。だが、プロとして26年間活躍し、チームの優勝や数々の個人タイトルを獲得した現役時代を振り返り、両親から「誇りに思う」と声をかけられると、満足そうな表情を浮かべていたという。
遠藤選手は今後、Jリーグ、ガンバ大阪のコーチに就任する。武義さんは「『指導者として、1年生のつもりで頑張りたい』と前を向いていた。選手時代と同様、ぶれずに自分のスタイルに合った指導者になってもらえれば。監督になった息子も見てみたい」と話した。
小中学校で一緒にプレーした同級生で同市の公務員、中野誠さん(44)は「まさか辞めるとは。若い選手が多いチームの中で、まだまだ経験を生かせると思っていた」と、引退に驚いた。ここ数年は会う機会がなかったといい、「帰って来た時にゆっくりと話ができれば。お疲れさまでしたと伝えたい」と語った。
遠藤選手は2019年、出場した公式戦が通算1000試合に到達した。さつま町の「小牧醸造」は記念として、遠藤選手がサツマイモの品種やボトルのデザインを監修した芋焼酎「YATTOSEVEN(ヤットセブン)」を発売している。
同社の担当者は「遠藤選手は焼酎が好きで、味の確認などに何回も足を運んでもらった。またゆっくり訪れてもらいたい」と話した。



