【遠藤保仁引退】西野朗氏「ヤットは一緒にプレーした選手を成長させる不思議な力を持つ。背中で見せる男」

J1磐田の元日本代表MF遠藤保仁が9日、現役引退を発表した。G大阪時代にクラブ史上初めてJ1制覇を果たすなど黄金期を築き、10シーズン、遠藤と過ごした西野朗氏がメッセージを寄せた。

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ずっとサッカーをやり続けると考えていたから、ピンとこないですが、ついにこの時がきたのかという思いです。ヤットなくしてガンバの黄金期もなかったし、今の日本代表の姿があるのもヤットがいたからだと思います。

誰もが、ヤットのレベルに追いつきたいと憧れ、リスペクトする選手で、存在感は半端ありませんでした。言葉では多く語りませんが、背中で見せるという表現が似合う男。私もガンバ時代は、自分がコーチングするというより、ヤットのサッカーセンスに、こちらが追いつかないと、という気持ちで指揮していました。決してヤットを中心にしようと思って指揮を執ってはいなかったのですが、ピッチに入ると、いつの間にか中心になっていた。謙虚で強要することはありませんでしたが、一緒にプレーする選手を成長させる不思議な力を持っていました。特異な選手です。

ヤットは独特の世界観、ルーチンを持っています。ガンバ時代にスタジアムに向かうとき、左車線を安全運転していると、よく私の前を制限速度よりも遅い感じで運転して、渋滞のような状況を作っている車がありました。それがヤットでした。また、試合のハーフタイムも(指示を出している時)いつの間にかシャワーを浴びに行っていました。戻ってきて「聞いてま~す」と言われると、誰も突っ込めない(笑い)。そのような感じでしたが、実際にピッチに入ると、ボールが半回転した瞬間、一気にスイッチを入れることできる男でした。

今後、指導者を目指すとのことですが、どんなに面白いチームを作るのだろうかと、楽しみでしかありません。今後のヤットに、心からエールを送りたいと思います。

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