遠藤保仁が引退発表「最高のサッカー人生」国内一筋26年Aマッチ最多152戦…古巣G大阪コーチ就任

J1磐田の元日本代表MF遠藤保仁(43)が9日、現役引退を発表した。今季よりG大阪のコーチに就任する。J1歴代最多の672試合、日本代表でも歴代最多の152試合出場と数々の記録を残した司令塔が、Jリーグひと筋で走り抜いた26年間の現役生活に別れを告げ、指導者として新たなスタートを切る。

Jリーグで、そして日本代表で最も多くのピッチに立った遠藤が引退を決断した。昨季はJ2だった磐田で21試合に出場し、J1昇格に貢献。だが、シーズン終盤はベンチから外れて43歳の出番は限られていた。10月7日・清水戦の途中出場が最後。現役続行の道も探っていたが、コーチのオファーが届いた古巣・G大阪で指導者として再出発することを決めた。

引退に際しては磐田、G大阪からのリリースと動画で思いを伝えた。明確な理由は示さずに「26年間という本当に長い、充実した最高のサッカー人生を送れた。自分がここまで長くやるとは、全く思っていませんでした」などと語った。さらに「日々、楽しくというのが僕のサッカー人生のモットーだったので、コーチになってからもその気持ちを忘れずに、日本サッカー界、そしてG大阪のために一生懸命働いて、勉強して、一人でもいい選手を多く生み出していければいい」と新たな目標も掲げた。

昨季限りで引退した元日本代表MF小野伸二(44)らと同じ1979年度生まれの「黄金世代」として、日本サッカー界をけん引。G大阪を中心に圧巻のキャリアを築いた。海外移籍のチャンスもあったが「Jリーグでも成長できる」という信念を貫き、歴代最多となるJ1通算672試合出場まで積み上げた。ただ、近年は父・武義さんに「夏場は体力的に厳しい」と漏らすなど、衰えも隠せなかった。それでも最後まで戦力として全力を尽くした。

日本代表では10年南アフリカW杯のデンマーク戦で直接FKを決めるなど、3度のW杯を含め、Aマッチ歴代最多の152試合に出場。昨年はサポーターが選ぶJリーグ30周年のMVPにも輝いた。記録だけでなく“コロコロPK”など、唯一無二のスタイルでファンの記憶にもその名を刻んだ。引退会見は行わない意向で「まじめに語るのも僕らしくない」と、最後までひょうひょうと自らのスタイルを貫いた。動画では笑顔で選手生活を振り返り、第二のサッカー人生へと踏み出す。(金川 誉)

◆遠藤保仁伝説

▽コロコロPK 相手GKの重心を最後まで見定め、動いた逆にコロコロと転がして決める得意技。ほぼボールは見ずにGKを見て蹴っているという。しかしJリーグで有名となり、相手GKは動かなくなったため、封印しコースを突いた速いキックが増えた。

▽ハーフタイムシャワー 通常ハーフタイムにはユニホームの着替えなどを行う選手が多いが、「リフレッシュのため」とシャワー室へ。結果、監督が指示を送っているところに裸で登場し、微妙な空気が流れたことも…との証言も。

▽遠藤渋滞 何事にも動じず、いつも冷静沈着な性格を表すエピソード。車の運転はいつも制限速度内でゆっくり。そのため遠藤の後方に渋滞ができた、という都市伝説も。

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