<football life>元Jリーガー初の日本サッカー協会会長へ 宮本恒靖氏「代表を強く」

日本サッカー協会に若きリーダーが誕生しようとしている。元日本代表の宮本恒靖専務理事(46)が次期会長選挙で唯一の立候補者となっており、24日の臨時評議員会で「会長予定者」に承認される見通しだ。来年3月の評議員会と理事による互選を経て第15代会長に就任すれば、戦後最年少となる。

宮本氏は立候補後の6日、「サッカーがこの国でもっと重要な存在になっていかないといけない」と語った。

8日に日本協会ホームページに公開したマニフェスト(公約)では、強い日本代表を作り続ける▽キッズ・女子・シニアを重点3領域として扱う――など八つの政策を掲げた。2031年女子ワールドカップ(W杯)やU17(17歳以下)とU20の国際サッカー連盟(FIFA)主催大会の招致を提案し、元日本代表監督の岡田武史・日本協会副会長(67)との対談も掲載した。

宮本氏はJ1ガンバ大阪やザルツブルク(オーストリア)などで活躍し、「ツネ様」の愛称でも人気を集めた。W杯は2大会に出場。02年日韓大会直前に鼻骨を骨折し、フェースガードを着けてプレーする姿は「バットマン」と報じられた。引退後はFIFAが運営する大学院「FIFAマスター」でスポーツ関連法や経営論を学び、ガ大阪監督を経て22年から協会理事、23年から協会専務理事を務める。元Jリーガー、W杯出場経験者が会長に就けば初となる。

16年に就任して最終任期4期目の田嶋幸三会長(66)の後継を選ぶ会長選には、Jリーグチェアマン室特命担当オフィサーの鈴木徳昭氏(62)の出馬も取り沙汰された。日本代表初の外国人監督だったハンス・オフト監督の通訳や、東京オリンピック招致委員会の戦略広報部長などを務めた鈴木氏は立候補に必要な評議員16人以上の推薦を得られなかったとみられ、日本協会は11月29日、宮本専務理事のみの立候補を発表した。16年に、当時協会副会長だった田嶋氏と専務理事だった原博実氏(65)が立候補して以来となる複数人による選挙にはならなかった。【村社拓信】

◇日本サッカー協会歴代会長

①1921~33年 今村次吉(大蔵官僚)

②35~45年 深尾隆太郎(貴族院議員)

③47~54年 高橋竜太郎(通産相)

④55~76年 野津謙※(医師)

⑤76~87年 平井富三郎(新日本製鉄社長)

⑥87~92年 藤田静夫(日本サッカー協会理事)

⑦92~94年 島田秀夫(三菱重工副社長)

⑧94~98年 長沼健※(サッカー日本代表監督)

⑨98~2002年 岡野俊一郎※(日本オリンピック委員会専務理事)

⑩02~08年 川淵三郎※(Jリーグチェアマン)

⑪08~10年 犬飼基昭(Jリーグ浦和社長)

⑫10~12年 小倉純二(国際サッカー連盟理事)

⑬12~16年 大仁邦弥※(日本サッカー協会強化委員長)

⑭16年~ 田嶋幸三※(日本サッカー協会技術委員長)

※は元日本代表選手。かっこ内は主な経歴

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