G岩下の“警告どまり”を考える 大久保を背後からつかみ物議 デイリースポーツ 5月16日(土)21時43分配信
「J1、G大阪1-1川崎」(16日、万博)
試合終盤に物議を醸すプレーがあった。
1-1で迎えた後半ロスタイム。勝ち越しを狙う川崎は前線でFW大久保がボールを持ち、マークについていた2人のG大阪の選手(遠藤と岩下)をドリブルでかわした。
その直後、かわされた岩下が大久保の体をつかみ、倒すことで突破を止めた。当然、このプレーはファウルだが、審判は警告までしか出さなかった。その後の FKはゴールにつながらず、試合は1-1の引き分けで終了。ファウルを受けた大久保は試合後、「(ファウルがなければ)絶対にそのまま行けてた」と振り 返っている。
ネット上には「岩下にはレッドカードを出すべきだった」とする意見が多く見られているが、こうしたケースの判定の基準についてまとめた。
日本サッカー協会による競技規則には一発退場となる状況が7項目、定められている。
(1)著しく不正なファウルプレー
(2)乱暴な行為
(3)相手競技者またはその他の者につばを吐く
(4)意図的にボールを手または腕で扱い、相手チームの得点または決定的な得点の機会を阻止する
(5)FKまたはPKとなる反則で、ゴールに向かっている相手競技者の決定的な得点の機会を阻止する
(6)攻撃的な、侮蔑的な、または下品な発言や身振りをする
(7)同じ試合の中で二つ目の警告を受ける
今回の岩下のファウルは(5)の「決定的な得点機阻止」にあたるかどうか、で判定が分かれたと考えられる。
得点、または決定的な得点の機会の阻止の基準は「競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン」に以下の5項目の状況を考慮しなければならないとある。
(a)反則とゴールの距離
(b)ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性
(c)プレーの方向
(d)守備側競技者の位置と数
(e)相手競技者の決定的な得点の機会を阻止する反則が直接フリーキックまたは間接フリーキックとなるものであること
今回のケースを考えると、(a)が考慮されたと見られる。ファウルの地点はゴールまで約30メートルの距離があった。また、ほかのG大阪の選手がカバーできる余地があったと判断された可能性もある。
ただ、1-1で試合終了間際という緊迫した状況であることも考えれば、一般のファンが納得できる判定ではなかった。後日であっても、判定の理由をJリーグから明示するなどの工夫も必要なのではないか。