G大阪退団決定のDF藤春広輝 13年間の思いあふれた涙「ガンバにこられて、よかったな」 一問一答

G大阪は2日、元日本代表DF藤春広輝(35)が今季限りで退団することを発表した。東海大仰星高、大阪体育大を経て2011年に加入。プロ2年目から左サイドバックのレギュラーに定着し、2014年の3冠などに大きく貢献した。近年は出場機会が減り、今季はリーグ戦1試合出場のみ。3日の今季最終戦・神戸戦(パナスタ)はベンチ入りし、ホームのサポーターに別れを告げる。以下はこの日の練習後、囲み取材に応じた藤春のコメント。

―ガンバを離れる心境は?

「別に、特に涙が出るとかもなかったですし。いつから来ると思っていたので、覚悟はしていたので。落ち込んだりはなかったですし。次の自分に、他のチームにいって挑戦できるのも楽しみなので、サッカーは続けていきたい」

―寂しさは?

「13年という長い間いたので、好きなチームではあったので、寂しいですけど、サッカー選手として…試合に出ていかないと、チームにはいられないのかなと感じましたし。それはしょうがないかな、と自分の中で思ったので。それはガンバの気持ちはしっかりと受け止めて、特に落ち込んだりという暇もないですし、切り替えてやっていきたい」

―近年、出場機会が減った葛藤などは?

「30歳をこえて、そういう気持ちってあるのかなと。自分としては、そこまで…。たとえば同じポジションの人と気まずくなるのも今までなかったですし、むしろサイドバック同士は仲良かったのもあるし、そういう部分はいい関係でいたから、いままでやれてきたのかな。この13年間、本当に手を抜くことなくやれたのが、一番自分にとってよかったのかなと。それが等々力(今季リーグ戦唯一出場した8月6日・アウェー川崎戦)の時、(黒川)圭介が累積(警告で出場停止)になって出番が回ってきたとき、正直自分がプロになって(初めて)出る時より緊張したし、走れるかなと心配したけど、体が嘘をつかなかった。この13年やってきたことがあって、90分間走れたのはあるかな」

―13年、いろんなキャリアを積めた要因は?

「いろいろあった13年間やったかなって。ここ最近、いろいろ思ったりもして。オリンピックだったりA代表だったりもあって。タイトルもとったりJ2落ちたり、色々経験して、濃い13年間やったし。たくさん監督も変わりましたし。それぞれ監督の個性もあって、それをたたき込まれたからこそ、代表にもいけたのかなって。すべての監督に心から感謝しています」

―エリートではなかったが、このクラブに残せたものは?

「やっぱりガンバにきて、最初のころと比べると、年齢を重ねていって、ひととしても変われたかなと。最初は周りもみれなくて、若かったのもありますけど、居続けることで周りも見えてきて。いろんな人に………(涙で言葉が続かず)。いろんなひととコミュニケーションをとることもたくさんあって。日本人選手だけじゃなく、1秒でも早くチームに溶け込めるように。声をかけて、やろうという思いもあって。チームに残せたかどうかはわからないですけど、自分が言って残すというより、見て練習中とかも、手を抜くことなくやってきて、それを後輩達が見てくれて、何か思ってもらえるものがあればうれしいかな、と思います」

―神戸戦がラストマッチに

「13年のすべてをぶつけたいですし、すべての人に感謝しているので。その思いを、プレーで届けるのが一番かなと思うので。出たらしっかり、頑張りたいなと思います」

―特に印象に残る思い出は?

「やっぱりタイトルがかかった試合はどれもうれしかったかな。Jリーグ優勝も、J2優勝も、天皇杯優勝も。タイトルがかかった試合は、サッカーやってきてよかったな、と思えた瞬間でした」

―ともにプレーした遠藤保仁=現磐田=への思いは?

「自分自身、ヤットさん(遠藤)がいなければ、ここまで活躍できたのかな、と思いますし、ヤットさんはそこまで言わないですけど、背中で語るタイプで、監督が変わってもヤットさんは(変化を)飲み込む早さもあるので、ずっと見てきて。自分だけがやりたいようにやるんじゃなく、監督に言われたことをまずやってみて、というのはヤットさんから聞いたかな。それを聞いて、自分もまず監督に言われたことをしっかりやる、プラス自分のやりたいことも、やる、と思えたかな」

―G大阪で引退したかった、という思いは

「自分の中では、正直ガンバで終わるのがベストだったかなと思いますし、でも最近ここ1年半ぐらいはほとんど試合にでてなかったので。そっちの方が、まだまだやりたい思いの方が強くて。ガンバを出てもサッカーをやりたいなという思いが強かったから。まだまだやりたい、と思いました」

―トライアウトは?

「全然、まだわからない。代理人とはなし合って決めたい」

―今後のキャリアの考え方は?

「まずは自分が納得いって、やめるのが一番かなと思っている。走れなくなったら、やめようかと思っている。そこから今は指導者をやりたいなという思いもあるので、終わってから指導者の道に進めたらいいかな」

―自身の歩みをどう感じる?

「みんなに言われるんですけど、最初のころと最近は全然人が変わったように。若いころは自分が自分が、みたいな感じやったけど、今はいろんな人とすぐ仲良くなれて、と言われるし。そういう人間性もガンバにこなければ変われなかったかもしれないし。ガンバに来られて、よかったなと思います」

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